過半数代表者
過半数代表者
労働基準法 施行規則 第6条の2
法第18条第2項、 法第24条第1項ただし書、 法第32条の2第1項、 法第32条の3第1項、 法第32条の4第1項及び第2項、 法第32条の5第1項、 法第34条第2項ただし書、 法第36条第1項、 第8項及び 第9項、 法第37条第3項、 法第38条の2第2項、 法第38条の3第1項、 法第38条の4第2項第1号 (法第41条の2第3項において準用する場合を含む。)、 法第39条第4項、 第6項及び 第9項ただし書並びに 法第90条第1項 に規定する労働者の過半数を代表する者(以下この条において「過半数代表者」という。)は、次の各号のいずれにも該当する者とする。
- 法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと。
- 法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって、使用者の意向に基づき選出されたものでないこと。
労働基準法 施行規則 第6条の2第2項
前項第1号に該当する者がいない事業場にあつては、法第18条第2項、法第24条第1項ただし書、法第39条第4項、第6項及び第9項ただし書並びに法第90条第1項に規定する労働者の過半数を代表する者は、前項第2号に該当する者とする。
労働基準法 施行規則 第6条の2第3項
使用者は、労働者が過半数代表者であること若しくは過半数代表者になろうとしたこと又は過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として不利益な取扱いをしないようにしなければならない。
労働基準法 施行規則 第6条の2第4項
使用者は、過半数代表者が法に規定する協定等に関する事務を円滑に遂行することができるよう必要な配慮を行わなければならない。
【過半数代表者】の解説です
次の場合に規定されている従業員の過半数代表者は、労働基準法上の管理監督者以外の者の中から、投票や挙手等の方法によって選出します。
- 法第18条第2項 強制貯金の労使協定
- 法第24条第1項ただし書 賃金の支払(控除)
- 法第32条の2 1ヶ月単位の変形労働時間制
- 法第32条の3 フレックスタイム制
- 法第32条の4 1年単位の変形労働時間制
- 法第32条の5 1週間単位の変形労働時間制
- 法第34条第2項ただし書 一斉休憩
- 法第36条 36協定による時間外労働等
- 法第37条第3項 代替休暇
- 法第38条の2第2項 事業場外労働(労使協定)
- 法第38条の3第1項 専門業務型裁量労働制
- 法第38条の4第2項第1号 労使委員会
- 法第41条の2第3項 高度プロフェッショナル制度の労使委員会
- 法第39条第4項 時間単位の有給休暇
- 法第39条第6項 年次有給休暇の計画付与
- 法第39条第9項ただし書 年次有給休暇中の賃金
- 法第90条第1項 過半数代表者の意見聴取
従業員の過半数代表者?
時間外労働や休日労働をする会社は、毎年、36協定を作成して労働基準監督署に届け出ていると思います。36協定に従業員の過半数代表者の氏名等を記入する欄があって、署名又は押印をもらっていると思います。
そうだね。36協定の他にも、こんなにたくさんあるんだ。
労使協定を締結する場合は、会社と過半数代表者が当事者になりますので、その際は、従業員の過半数代表者を選出する必要があります。
労使協定?
36協定も労使協定の1つですけど、基本的には1週40時間・1日8時間を超えて働かせることが禁止されています。原則的には、労働基準法に違反する行為ですが、従業員の過半数代表者と合意して労使協定を締結することによって、適法になります。
毎回、その都度、選出しないといけないの?
例えば、36協定でしたら、「36協定を締結するから、従業員の代表者を選出してください」と言って、代表者を選出する目的を示して、投票や挙手といった方法で選出することになっています。
面倒臭いねぇ。
そうですね。「36協定の締結はAさんが適任だけど、賃金控除の労使協定はBさんが適任だ」と考える従業員は少ないと思います。
普通は同じ人になると思う。
そうでしたら、36協定は毎年締結しますので、その際に、「36協定、賃金控除協定、1年単位の変形労働時間制の労使協定を締結する代表者を選出します」と示して、複数の目的を挙げて、選出する方法も可能です。1年間はその従業員が過半数代表者になります。
そうしたら、過半数代表者の選出は年1回でいいんだ。選出方法は、投票か挙手だけ?
回覧でも可能です。「従業員の代表者として○○を選出することに同意します」という書類を回覧して、個々の従業員にサインかハンコをもらうようにしてはどうでしょう。
その方が手間は掛からないかな。
労働基準監督署への届出が義務付けられていない労使協定は、自動更新も可能ですので、1回作成すれば放っておいても構いません。
36協定による時間外労働等と1年単位の変形労働時間制は毎年作成して、労働基準監督署に届け出ないといけないんだよね。
1年単位の変形労働時間制を採用する場合は、そうです。注意点として、過半数代表者が労使協定の締結を拒否したり、内容に同意しなかったりしても、嫌がらせや不利益な取り扱いをしないでください。
そんなことはしないよ。
もう1つ、有印私文書偽造で書類送検された会社もありますので、労使協定に従業員のハンコを勝手に押したりしないでくださいね。
ドキッ。管理監督者は従業員の過半数代表者になれないって言ってた?
はい。管理監督者は経営者と一体的な立場にある者ですし、36協定を締結してもその内容は適用されません。一般従業員の意思を反映することは難しいという理由から、管理監督者は除外されています。
そう考えると役職のない従業員が適任かな。
労働基準法の施行規則が改正されて、過半数代表者の要件として、「使用者の意向に基づき選出されたものでないこと」という文言が追加されました。
会社が適任と思う従業員を指名するのは違法ということ?
違法というか無効になる恐れがありますので、自主的に立候補者を募る方法が良いです。
当社では「従業員の代表になりたい」と積極的に立候補する従業員は現れにくいと思うけど?
過半数代表者がいない状態は困りますので、立候補者が現れない場合は、前回の過半数代表者に相談して、適任者を推薦してもらってはいかがでしょうか。本人が再度、立候補してくれるかもしれません。
執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。

