貯蓄金の労使協定とは?(労基法18条)社内預金の要件を解説
貯蓄金の労使協定とは(労基法18条)
労働基準法 第18条第2項(貯蓄金の労使協定)の条文
使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理しようとする場合においては、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出なければならない。
労働基準法 施行規則 第5条の2
使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理しようとする場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入れであるときは、法第18条第2項の協定には、次の各号に掲げる事項を定めなければならない。
- 預金者の範囲
- 預金者一人当たりの預金額の限度
- 預金の利率及び利子の計算方法
- 預金の受入れ及び払いもどしの手続
- 預金の保全の方法
労働基準法 施行規則 第6条
法第18条第2項の規定による届出は、様式第1号により、当該事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長(以下「所轄労働基準監督署長」という。)にしなければならない。
労働基準法 施行規則 第57条第3項
法第18条第2項の規定により届け出た協定に基づき労働者の預金の受入れをする使用者は、毎年、3月31日以前1年間における預金の管理の状況を、4月30日までに、様式第24号により、所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
【貯蓄金の労使協定】の条文の解説です
従業員から委託されて会社が社内預金(貯蓄金)を管理するときは、従業員の過半数代表者と労使協定を締結して、労働基準監督署に届け出ないといけません。
会社が従業員に社内預金をさせたり、会社が従業員の貯金(貯蓄金)を管理することは禁止されていなかった?
採用の条件として社内預金の契約をすることは禁止されていますが、条件を満たしている場合は、社内預金が可能になります。
条件というのは?
この規定では、従業員が委託すること、労使協定を締結することの2点が定められています。これとは別にクリアしないといけない事項が他で規定されています。
例えば?
貯蓄金の管理規程を作成すること、一定の利子を設定すること、返還の請求に応じることが定められています。
結構な手間が掛かりそう。
はい。従業員が不利益を受けないように、また、「社内預金を返還できません」といった事態が生じないように、労働基準法で導入するための要件が整備されています。
当社の周りの経営者の間では、社内預金や貯蓄金という話は聞かないけど。
今は会社にとっても従業員にとっても、手間を超えるメリットを得にくいので、平成以降に設立した会社で積極的に導入している所は少ないと思います。
それで、社内預金(貯蓄金)をする場合は、労使協定を作成しないといけない?
はい。労使協定で締結する内容は、次のとおりです。そして、この貯蓄金の労使協定は、労働基準監督署に届け出る必要があります。
- 預金者の範囲
- 預金者1当たりの預金額の限度
- 預金の利率及び利子の計算方法
- 預金の受入れ及び払い戻しの手続
- 預金の保全の方法
執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。

