労働基準法「採用」に関する規定一覧

採用に関する規定(第13条から第17条まで)

労働基準法では、労働条件の明示、有期労働契約の期間、有期労働契約のルールなど、採用時に会社が守らなければならない重要なルールが定められています。また、賠償予定の禁止や前借金相殺の禁止など、企業がしてはいけない行為も定められています。

このページでは、労働基準法第13条から第17条までの採用に関するポイントを条文ごとに分かりやすく解説します。

労働基準法違反の契約(第13条)

労働条件として約束した内容が労働基準法に違反している場合は、その約束は無効になって、労働基準法が適用されます。

有期労働契約の期間の上限(第14条)

期間を定めて雇用する場合は最長3年までしか認められません。例外的に、ダムの建設とか土木・建築現場が終了するまでという雇い方なら3年を超えても構いません。また、専門知識が必要で厚生労働大臣が指定した業務に就く方や60歳以上の方を雇用する場合は最長5年まで認められます。

有期労働契約の経過措置(第137条)

1年以上の期間を定めて雇用した場合で、入社して1年たったら従業員は理由を告げることなく退職できます。

有期労働契約に関する基準(第14条第2項)

期間の定めのある労働契約の締結や雇い止めに関して労使間でトラブルにならないよう、厚生労働大臣は基準を定めることができます。

有期労働契約に関する助言及び指導(第14条第3項)

労働基準監督署は「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」に関して、会社に必要な助言や指導を行うことができます。

労働条件の明示(第15条)

採用するときは、労働契約の期間、勤務地と仕事の内容、労働時間・休憩時間・残業の有無・休日・休暇、給料の額・締め日・支払日・支払の方法、退職理由・解雇理由について書面でもって従業員に伝えないといけません。

千代田工業事件】【八州測量事件】【日新火災海上事件

労働契約の解除(第15条第2項)

採用するときに約束した内容が実際と違っているときは、従業員はすぐに辞められます。

帰郷旅費の負担(第15条第3項)

就職するために引っ越して来たのに、会社の約束した内容が実際と違っていたために退職して、退職後14日以内に帰郷することになった場合は、会社は引っ越し代や旅費を負担しないといけません。

賠償予定の禁止(第16条)

途中で退職したら罰金10万円とか、罰金を支払わせることはできません。

長谷工コーポレーション事件】【三晃社事件

前借金相殺の禁止(第17条)

働くことを条件として、借金と給料を相殺してはいけません。

東箱根開発事件


社会保険労務士 木下貴雄

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。