貯蓄金の中止命令とは?(労働基準法18条6項)
貯蓄金の中止命令が出されるケース
労働基準法 第18条第6項(貯蓄金の中止命令)の条文
使用者が前項の規定に違反した場合において、当該貯蓄金の管理を継続することが労働者の利益を著しく害すると認められるときは、行政官庁は、使用者に対して、その必要な限度の範囲内で、当該貯蓄金の管理を中止すべきことを命ずることができる。
労働基準法施行規則 第6条の3
法第18条第6項の規定による命令は、様式第1号の3による文書で所轄労働基準監督署長がこれを行う。
【貯蓄金の中止命令】の条文の解説です
従業員による社内預金(貯蓄金)の返還請求(第18条第5項)に会社が応じなかった場合は、労働基準監督署は会社に対して、貯蓄金の管理の中止を命令できます。
会社が社内預金を返還しないのであれば、社内預金の管理を中止させる。
はい。従業員が社内預金(貯蓄金)の返還を求めているのに返還されないと、従業員は不安に思うでしょうし、会社に対する不信感が高まります。
「社内の問題です」ということでは済まされないんだ。
退職を認めないとか交渉の材料に使うことを禁止したり、社内預金の払い戻しが難しくなって、更に状況が悪化しそうな場合の救済措置として定められています。
貯蓄金の中止命令が出されると、どうなる?
会社は社内預金の運用を継続できなくなります。また、従業員の返還請求に応じない行為は労働基準法違反ですので、労働基準監督署による是正勧告や指導の対象になります。
社内預金(貯蓄金)は、会社にとって余りメリットが感じられない。
社内預金は従業員の財産を預かる制度ですので、労働基準法によって、慎重な管理が求められます。運用益が見込まれる場合は検討の余地がありますが、現在は難しいと思います。
執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。

