賃金台帳の記載事項と保存期間(労基法108条)
賃金台帳の記載事項
労働基準法 第108条(賃金台帳)の条文
使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。
労働基準法 施行規則 第54条
使用者は、法第108条の規定によつて、次に掲げる事項を労働者各人別に賃金台帳に記入しなければならない。
- 氏名
- 性別
- 賃金計算期間
- 労働日数
- 労働時間数
- 法第33条若しくは法第36条第1項の規定によつて労働時間を延長し、若しくは休日に労働させた場合又は午後10時から午前5時(厚生労働大臣が必要であると認める場合には、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時)までの間に労働させた場合には、その延長時間数、休日労働時間数及び深夜労働時間数
- 基本給、手当その他賃金の種類毎にその額
- 法第24条第1項の規定によつて賃金の一部を控除した場合には、その額
労働基準法 施行規則 第54条第2項
前項第6号の労働時間数は当該事業場の就業規則において法の規定に異なる所定労働時間又は休日の定をした場合には、その就業規則に基いて算定する労働時間数を以てこれに代えることができる。
労働基準法 施行規則 第54条第3項
第1項第7号の賃金の種類中に通貨以外のもので支払われる賃金がある場合には、その評価総額を記入しなければならない。
労働基準法 施行規則 第54条第4項
日々雇い入れられる者(1箇月を超えて引続き使用される者を除く。)については、第1項第3号は記入するを要しない。
労働基準法 施行規則 第54条第5項
法第41条各号のいずれかに該当する労働者及び法第41条の2第1項の規定により労働させる労働者については第1項第5号及び第6号は、これを記入することを要しない。
労働基準法 施行規則 第55条
法第108条の規定による賃金台帳は、常時使用される労働者(1箇月を超えて引続き使用される日々雇い入れられる者を含む。)については様式第20号日々雇い入れられる者(1箇月を超えて引続き使用される者を除く。)については様式第21号によつて、これを調製しなければならない。
労働基準法 施行規則 第55条の2
使用者は、年次有給休暇管理簿、第53条による労働者名簿又は第55条による賃金台帳をあわせて調製することができる。
【賃金台帳】の条文の解説です
会社は賃金台帳を作成して、賃金を支払う都度、賃金の額等を記入しないといけません。
賃金台帳?
賃金の台帳です。賃金をいくら支払ったか等を明らかにすることによって、労働基準監督署が調査をするときに、労働基準法違反がないか把握しやすくなります。
労働基準監督署の都合なんだ。
実際の労働時間や賃金の支給額等を明確にすることは、会社にとっても従業員にとっても重要なことです。賃金台帳は労働者名簿、出勤簿(タイムカード)と並んで、基本となる法定三帳簿の1つです。
なるほど。
給与明細があれば、それで賃金台帳を作成したことになる?
賃金台帳には、次の事項を記載することになっています。必要事項を網羅していれば、その給与明細で賃金台帳を作成したことになります。特に労働時間数が漏れていないか注意してください。
- 氏名
- 性別
- 賃金の計算期間
- 労働日数
- 労働時間数
- 時間外労働、休日労働、深夜労働の時間数
- 基本給、手当の種類ごとに、その額
- 賃金の一部を控除した場合は、その額
労働者名簿は、会社の規模に関係なく作成する義務があったけど、賃金台帳は?
賃金台帳も従業員数に関係なく、従業員が1人でもいれば作成しないといけません。
パートタイマーやアルバイトも?
はい。日雇い労働者については、労働者名簿の作成義務はありませんが、賃金台帳は日雇い労働者についても作成する必要があります。パートタイマーやアルバイトなど、全ての従業員(労働者)が対象になります。
賃金台帳は、36協定みたいに様式は決まっている?
様式第20号が示されていますけど、必要事項を記載していれば、自由に作成できます。
賃金台帳は、書類で作成しないといけない?パソコンの給与計算ソフトで管理していれば、書類で残しておかなくても大丈夫?
次の条件を満たしている場合は、パソコンで作成する方法が認められています。労働者名簿の場合と同じです。
- 必要な事項を記載していること
- 画面に表示して記載内容を確認できること
- 労働基準監督官から求められたときは、直ぐに印刷して提出できること
管理監督者には、時間外労働や休日労働の割増賃金(残業手当)を支払っていないけど、時間外労働、休日労働、深夜労働の時間数を記載しないといけない?
労働基準法第41条に該当する管理監督者については、時間外勤務手当、休日勤務手当の支払いが免除されていますので、時間外労働と休日労働の時間数は記載しなくても構いません。
深夜労働の時間数は?
労働基準法第41条に該当する管理監督者であっても、深夜勤務手当の支払いは免除されませんので、支払わないといけません。
つまり?
管理監督者であっても、22時から翌日5時までの深夜の時間帯に勤務をしたときは、その時間数を記載する必要があります。
執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。

