職業訓練の特例(労働基準法 第70条)
技能習得のために緩和される制限と安全措置の基準
労働基準法 第70条(職業訓練の特例)の条文
職業能力開発促進法第24条第1項(同法第27条の2第2項において準用する場合を含む。)の認定を受けて行う職業訓練を受ける労働者について必要がある場合においては、その必要の限度で、第14条第1項の契約期間、第62条及び第64条の3の年少者及び妊産婦等の危険有害業務の就業制限、第63条の年少者の坑内労働の禁止並びに第64条の2の妊産婦等の坑内業務の就業制限に関する規定について、厚生労働省令で別段の定めをすることができる。ただし、第63条の年少者の坑内労働の禁止に関する規定については、満16歳に満たない者に関しては、この限りでない。
労働基準法 施行規則 第34条の3
使用者は、訓練生に技能を習得させるために必要がある場合においては、満18歳に満たない訓練生を法第62条の危険有害業務に就かせ、又は満16歳以上の男性である訓練生を坑内労働に就かせることができる。
労働基準法 施行規則 第34条の3第2項
使用者は、前項の規定により訓練生を危険有害業務又は坑内労働に就かせる場合においては、危害を防止するために必要な措置を講じなければならない。
労働基準法 施行規則 第34条の3第3項
第1項の危険有害業務及び坑内労働の範囲並びに前項の規定により使用者が講ずべき措置の基準は、別表第1に定めるところによる。
【職業訓練の特例】の条文の解説です
職業能力開発促進法の認定を受けて職業訓練を受ける従業員については、年少者や妊産婦(女性)に制限されている、次の規定の適用が緩和されます。
- 第14条第1項 労働契約の期間
- 第62条 年少者の危険業務の就業制限、年少者の有害業務の就業制限
- 第63条 年少者の坑内労働の禁止
- 第64条の2 妊産婦の坑内業務の就業制限
- 第64条の3 妊産婦の危険有害業務の就業制限
職業能力開発促進法の認定?
会社が実施する職業訓練が、厚生労働省令で定められている基準に適合している場合は、申請をすれば認定を受けられます。
誰が認定するの?
職業能力開発促進法の認定は、都道府県知事が行うことになっています。
認定を受けたら、18歳未満の年少者にも坑内労働をさせてもいい?
はい。ただし、16歳未満の従業員については、禁止されたままです。
どうして緩和されているの?
年少者について坑内労働が禁止されていると、技能者を現地で養成することができません。
技能者を養成するためなんだ。危険有害業務も可能になるんだね?
はい。職業訓練を受ける場合は、現場で実際に就業をすることが大事ですので、認定を受けたときは可能になります。労働基準法施行規則の別表第1(第34条の3関係)に、就労が可能となる危険有害業務と坑内労働の範囲が明示されています。
確かに、クレーンの運転は危険業務だけど、実技、実習をしないと習得できないと思う。労働契約の期間が緩和されるのは?
労働基準法第14条では、労働契約の期間は3年が上限と定められています。職業訓練に必要な場合は、職業能力開発促進法で訓練科ごとに定められている訓練期間の範囲内まで延長できます。
職業訓練に必要な期間が設定されているのであれば、その期間は雇用できないとおかしいね。
執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。

