妊産婦の変形労働時間制の適用除外|労働基準法第66条の解説
妊産婦請求時に適用される変形労働時間制の制限
労働基準法 第66条(妊産婦の変形労働時間制の適用除外)の条文
使用者は、妊産婦が請求した場合においては、第32条の2第1項、第32条の4第1項及び第32条の5第1項の規定にかかわらず、1週間について第32条第1項の労働時間、1日について同条第2項の労働時間を超えて労働させてはならない。
【妊産婦の変形労働時間制の適用除外】の条文の解説です
妊娠中及び産後1年未満の女性従業員(妊産婦)が請求した場合は、次の制度を適用するとしても、1週40時間、1日8時間を超えて労働させてはいけません。
- 第32条の2 1ヶ月単位の変形労働時間制
- 第32条の4 1年単位の変形労働時間制
- 第32条の5 1週間単位の変形労働時間制
法定労働時間を超える時間外労働が禁止されるということ?
例えば、1ヶ月単位の変形労働時間制は、1ヶ月を平均して1週40時間以内であれば、所定労働時間が40時間を超える週及び8時間を超える日があったとしても、時間外労働の扱いになりません。
だから、その範囲内で勤務していれば、割増賃金の支払い義務が生じない。
ここでは変形労働時間制を適用したとしても、妊産婦が請求した場合は、所定労働時間が40時間を超える週及び8時間を超える日を設定できないようになります。
会社としては、変形労働時間制のメリットがなくなる。「妊産婦が請求した場合」ということは、本人が請求しなければ、他の従業員と同様に取り扱うことができる?
はい。しかし、このような請求ができることを知らないだけかもしれませんので、このような請求ができることを説明することが望ましいです。
妊産婦が請求した場合は、会社は時間外労働を命令できないということ?
それは第2項で定められています。この規定は変形労働時間制の適用を除外して、1週40時間及び1日8時間の原則的な労働時間制度を適用することが規定されています。
フレックスタイム制(第32条の3)は、ここには含まれていない?
フレックスタイム制を適用している従業員は、自分で労働時間を調整できますので、この規定の対象になっていません。
執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。

