住民税を控除していない|就業規則の規定例
住民税を控除していない
- 今年、会社を設立しました。就業規則を作成しようと思って、モデル就業規則を見たところ、賃金から住民税を控除することになっていました。当社では住民税を控除していませんが、問題はないでしょうか?
- 賃金から住民税を控除するよう検討してください。また、就業規則(賃金規程)の内容と実際の取扱いは一致させるべきです。
住民税を控除していない
住民税を徴収・納付する方法として、特別徴収と普通徴収があります。
特別徴収とは、会社が支払う賃金から住民税を控除して、本人の代わりに市町村に納付する方法です。普通徴収とは、本人が納税通知書に基づいて、直接市町村に納付する方法です。
会社から賃金が支払われる者については、原則として、特別徴収の方法で納付することが義務付けられています。ただし、例外として、従業員数が2人以下、他社で特別徴収をしている、賃金が低額で控除できない等、普通徴収が認められるケースもあります。
例外に当てはまらない会社は、特別徴収の方法で賃金から住民税を控除して納付する必要があります。パートタイマーやアルバイトしかいなくても同じです。
一方、従業員数が2人以下で例外に当てはまって、就業規則(賃金規程)を作成するときは、賃金から控除する項目として挙げられている「住民税」を削除して、「源泉所得税その他法令に定めがあるもの」としてはいかがでしょうか。将来、住民税を控除することになった場合にも対応できます。
就業規則(賃金規程)の内容と実際の取扱いが一致していないと、従業員に「就業規則はいい加減なもの」と認識されてしまいます。
そうなると、就業規則に違反をする従業員が現れて、会社が就業規則に基づいて指導や懲戒処分をしようとするときに、従業員から「会社も就業規則を守っていない」と主張されるかもしれません。
あえて、従業員にとって有利な取扱いをして、就業規則の内容と一致していない部分は別にして、それ以外の部分では実際の取扱いと一致させるべきです。
会社が就業規則を重視して、就業規則に基づいた対応を心掛けていれば、従業員にも遵守するよう指導等を行いやすくなります。
執筆者 社会保険労務士 木下貴雄
2002年にキノシタ社会保険労務士事務所を開業し、就業規則を専門として、業務に取り組んできました。現在は、メールによるサービスの提供に特化して、日本全国の中小零細企業のサポートを行っています。
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