医師の時間外労働の上限規制(141条第3項の特例)
医師の上限規制の特例とは(年960時間・最大1860時間)
労働基準法 第141条第3項(医師の上限規制の特例)の条文
使用者は、第1項の場合において、第36条第1項の協定で定めるところによって労働時間を延長して労働させ、又は休日において労働させる場合であっても、同条第6項に定める要件並びに労働者の健康及び福祉を勘案して厚生労働省令で定める時間を超えて労働させてはならない。
労働基準法 第141条第5項
第3項の規定に違反した者は、6箇月以下の拘禁刑(懲役)又は30万円以下の罰金に処する。
労働基準法 施行規則 第69条の5
法第141条第3項の厚生労働省令で定める時間は、労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させる時間について、1箇月について100時間未満及び1年について960時間とする。ただし、第69条の3第2項第2号に規定する面接指導が行われ、かつ、同項第4号に規定する措置が講じられた特定医師については1年について960時間とする。
【医師の上限規制の特例】の条文の解説です
36協定(第36条第1項の協定)に基づいて、医師に時間外労働や休日労働をさせる場合であっても、厚生労働省令で定められている上限規制(第36条第6項)を超えて労働させてはいけません。
どういうこと?
一般企業については、36協定の上限規制として、次の内容が定められています。
- 時間外労働と休日労働の合計時間を月100時間未満すること
- 複数月の時間外労働と休日労働の合計時間を平均して月80時間以内とすること
医師については、特例が適用される?
医師については、2024年施行の医師の働き方改革によって、次の基準が適用されることになりました。
- 時間外労働と休日労働の合計時間を月100時間未満すること
- 時間外労働と休日労働の合計時間を年960時間以内とすること
一般企業の月80時間×12ヶ月で960時間だからほぼ同じ?
医師に適用する基本的なルール(A水準)としてはそうですが、地域医療の確保等のために指定を受けた医療機関に限って、1年間の上限が1,860時間(B・C水準)まで認められることになっています。
この規定に違反したときは罰則が定められている?
はい。元々、労働基準法第36条第6項に違反したときは、6ヶ月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金が定められています。
それと同じ違反だから、罰則も同じ内容ということ?
そういうことです。
執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。

