医師の上限規制の適用猶予(2024年まで)

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医師の上限規制の適用猶予(2024年まで)

労働基準法 第141条第4項

前3項の規定にかかわらず、医業に従事する医師については、令和6年3月31日(同日及びその翌日を含む期間を定めている第36条第1項の協定に関しては、当該協定に定める期間の初日から起算して1年を経過する日)までの間、同条第2項第4号中「1箇月及び」とあるのは、「1日を超え3箇月以内の範囲で前項の協定をする使用者及び労働組合若しくは労働者の過半数を代表する者が定める期間並びに」とし、同条第3項から第5項まで及び第6項(第2号及び第3号に係る部分に限る。)の規定は適用しない。

【医師の上限規制の適用猶予(2024年まで)】の解説です

医師については、2024年(令和6年)3月31日までの間は、次の規定が適用されません。

どういうこと?

一般企業が36協定を作成する際は様々な制約を受けるのですが、医師の業務については、2024年3月31日までの間は、限度時間や上限時間の規定が適用されません。

どうして?

働き方改革関連法が成立して、限度時間や上限時間の規制が労働基準法上に設けられたのですが、医師の業務については、その事業の性質から、今直ぐ適用することは難しいということで、猶予期間が設けられました。

それまでの間は、限度時間や上限時間を超えて働かせても、労働基準法違反にはならない?

36協定を作成する際に、そのような制約を受けません。

36協定を作成する際?

仮に、36協定を上限時間で定めていた場合に、実際の時間外労働がその36協定で定めていた(上限)時間を超えることは許されません。その場合は、労働基準法違反になります。

36協定で締結した範囲内で、勤務する必要があるということ?

そうです。医師だからといって、無制限に時間外労働をさせられるということではありません。

あらかじめ36協定を締結して、実際の時間外労働の時間もその範囲内にしないといけないと?

はい。上限時間を超えることが想定されるのであれば、その時間を基準にして36協定を締結する必要があります。

上限時間を超える時間で36協定を締結して、届け出て、その範囲内で時間外労働をしたときは、労働基準法違反にはならない?

はい。労働基準法には違反しませんが、健康管理は大事ですので、過重労働にならないよう注意してください。

この場合の医師は、どのような者が該当する?

医行為を行う医師とされています。医行為というのは、医師の医学的判断と技術がなければ人体に危害を及ぼしたり、危害を及ぼす恐れのある行為とされています。