限度時間を超えて労働させられる範囲

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限度時間を超えて労働させられる範囲

労働基準法 第36条第6項

使用者は、第1項の協定で定めるところによって労働時間を延長して労働させ、又は休日において労働させる場合であっても、次の各号に掲げる時間について、当該各号に定める要件を満たすものとしなければならない。

  1. 坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務について、1日について労働時間を延長して労働させた時間 2時間を超えないこと。
  2. 1箇月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間 100時間未満であること。
  3. 対象期間の初日から1箇月ごとに区分した各期間に当該各期間の直前の1箇月、2箇月、3箇月、4箇月及び5箇月の期間を加えたそれぞれの期間における労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間の1箇月当たりの平均時間 80時間を超えないこと。

労働基準法 施行規則 第18条

法第36条第6項第1号の厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務は、次に掲げるものとする。

  1. 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
  2. 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
  3. ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務
  4. 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
  5. 異常気圧下における業務
  6. 削岩機、鋲びょう打機等の使用によって身体に著しい振動を与える業務
  7. 重量物の取扱い等重激なる業務
  8. ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
  9. 鉛、水銀、クロム、ひ素、黄りん、ふっ素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリン、その他これに準ずる有害物の粉じん、蒸気又はガスを発散する場所における業務
  10. 前各号のほか、厚生労働大臣の指定する業務

【限度時間を超えて労働させられる範囲】の解説です

36協定を締結して、時間外労働や休日労働をさせる場合であっても、次の要件を満たさないといけません。

  1. 坑内労働については、1日の時間外労働の時間が、2時間を超えないこと。
  2. 1ヶ月の時間外労働と休日労働の合計時間が、100時間未満であること。
  3. 時間外労働と休日労働の合計時間が、平均して1ヶ月80時間を超えないこと。

1.の坑内労働だけ違和感があるけど?

坑内労働に関する規定は、前からあったものです。2.と3.は過労死の認定基準として以前から定められていた内容で、働き方改革関連法が成立して、正式に労働基準法に取り込まれました。

各月ごとに見て時間外労働と休日労働を合計した時間が100時間を超えてはいけない。なおかつ、複数月を平均して80時間を超えてはいけない。

そのとおりです。

平均というのは、過去何ヶ月とか決まっている?

過去6ヶ月の平均、過去5ヶ月の平均、過去4ヶ月の平均、過去3ヶ月の平均、過去2ヶ月の平均で、どの期間で平均しても月80時間以内でないといけません。

なるほど。

36協定の様式にチェックボックスが設けられていて、会社はそれにチェックを入れることになっています。

なんて書いてある?

「上記で定める時間数にかかわらず、時間外労働及び休日労働を合算した時間数は、1箇月について100時間未満でなければならず、かつ2箇月から6箇月までを平均して80時間を超過しないこと。」

それにチェックを入れたら、どういう効果があるの?

労使間で協定したことになります。

その記載があるのは、限度時間を超える可能性がある特別条項付きの36協定だけ?

限度時間の範囲内で勤務していたら、その時間を超える可能性はほぼないですけど、通常の36協定の様式にもチェックボックスの記載があります。