医師の特別条項付き36協定とは?上限時間と仕組み

年960時間・月100時間未満の上限規制とは?

労働基準法 第141条第2項(医師の特別条項付きの36協定)

前項の場合において第36条第1項の協定に、同条第2項各号に掲げるもののほか、当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に前項の規定により読み替えて適用する同条第3項の厚生労働省令で定める時間を超えて労働させる必要がある場合において、同条第2項第4号に関して協定した時間を超えて労働させることができる時間(同号に関して協定した時間を含め、同条第5項に定める時間及び月数並びに労働者の健康及び福祉を勘案して厚生労働省令で定める時間を超えない範囲内に限る。)その他厚生労働省令で定める事項を定めることができる。

労働基準法 施行規則 第69条の4

法第141条第2項の厚生労働省令で定める時間は、労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させることができる時間について、1箇月について100時間未満及び1年について960時間とする。ただし、法第36条第1項の協定に前条第2項第2号から第4号までに規定する事項を定めた場合にあつては、1年について960時間とする。

【医師の特別条項付きの36協定】の条文の解説です

医師について、想定外の業務量の大幅な増加等に伴って、臨時的に限度時間に相当する時間を超えて労働させる必要がある場合に、時間外労働の時間等について、厚生労働省令で定めることができます。

どういうこと?

一般企業で、時間外労働の時間が月45時間・年360時間(原則)の限度時間を超えることが予想される場合は、特別条項付きの36協定を締結することが認められていますが、その場合でも、時間外労働の時間は月100時間未満、年720時間以内、限度時間を超えられる月数は年6ヶ月以内に制限されます。

過重労働で健康を害することがないように、働き方改革関連法の成立に伴って、労働基準法に追加された。

医師については、目の前に緊急を要する患者がいると対応せざるを得ないといった業務の特殊性があります。

一般企業と同じように取り扱うことは難しそう。

しかし、無制限に認めることはできませんので、いわゆる「特別条項付き36協定」と同様の仕組みによって、医師の業務に合わせた内容が厚生労働省令で定められることになっています。

どのように?

時間外労働及び休日労働の合計時間について、1ヶ月につき100時間未満、1年につき960時間と定められています。なお、これらの上限は医師の健康確保措置とあわせて運用されることが前提とされています。

社会保険労務士 木下貴雄

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。