自動車運転業務の上限規制の適用猶予(2024年以降)
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自動車運転業務の上限規制の適用猶予(2024年以降)
労働基準法 第140条
一般乗用旅客自動車運送事業(道路運送法第3条第1号ハに規定する一般乗用旅客自動車運送事業をいう。)の業務、貨物自動車運送事業(貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)第2条第1項に規定する貨物自動車運送事業をいう。)の業務その他の自動車の運転の業務として厚生労働省令で定める業務に関する第36条の規定の適用については、当分の間、同条第5項中「時間(第2項第4号に関して協定した時間を含め100時間未満の範囲内に限る。)並びに1年について労働時間を延長して労働させることができる時間(同号に関して協定した時間を含め720時間を超えない範囲内に限る。)を定めることができる。この場合において、第1項の協定に、併せて第2項第2号の対象期間において労働時間を延長して労働させる時間が1箇月について45時間(第32条の4第1項第2号の対象期間として3箇月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあっては、1箇月について42時間)を超えることができる月数(1年について6箇月以内に限る。)を定めなければならない」とあるのは、「時間並びに1年について労働時間を延長して労働させることができる時間(第2項第4号に関して協定した時間を含め960時間を超えない範囲内に限る。)を定めることができる」とし、同条第6項(第2号及び第3号に係る部分に限る。)の規定は適用しない。
労働基準法 施行規則 第69条第2項
法第140条第1項の厚生労働省令で定める業務は、一般乗用旅客自動車運送事業の業務、貨物自動車運送事業(貨物自動車運送事業法第2条第1項に規定する貨物自動車運送事業をいう。)の業務、一般乗合旅客自動車運送事業(道路運送法第3条第1号イに規定する一般乗合旅客自動車運送事業をいう。)の業務、一般貸切旅客自動車運送事業(同号ロに規定する一般貸切旅客自動車運送事業をいう。)の業務その他4輪以上の自動車の運転の業務とする。
【自動車運転業務の上限規制の適用猶予(2024年以降)】の解説です
自動車運転の業務については、当分の間は、次のとおりとします。
- 特別条項付きの36協定において、時間外労働の時間を1ヶ月につき100時間未満とする制限は適用しない
- 特別条項付きの36協定で定められる時間外労働の時間は1年につき960時間を上限とする
- 時間外労働が1ヶ月45時間を超えられるのは1年につき6ヶ月以内とする規定は適用しない
- 過労死の認定基準を定めた上限時間の規制は適用しない
どういうこと?
1つずつ話を進めますと、原則的に、一般企業では特別条項付きの36協定であっても、時間外労働の時間は1ヶ月につき100時間未満にすることが義務付けられています。
それが適用されない?
はい。次に、原則的には、時間外労働の時間は1年につき720時間が上限とされているのですが、自動車運転の業務については、1年につき960時間に緩和されています。
特別条項付きの36協定で、そのように定めても良いということ?
そうです。3点目は、通常は時間外労働の時間が1ヶ月45時間を超えられる月数は、1年につき6ヶ月以内にすることが義務付けられているのですが、自動車運転の業務については適用されません。
毎月45時間を超えても許される?
労働基準法上は違反にはなりませんが、従業員の健康に配慮して、過重労働にならないよう注意してください。
確かに。
最後に、過労死の認定基準を定めた上限規制が適用されません。
過労死の認定基準を定めた上限規制というと?
時間外労働と休日労働を合計した時間を、次の範囲内にするという規制です。
- 月100時間未満
- 2〜6ヶ月平均80時間以内
その上限規制が適用されない?
はい。当分の間は適用されません。
当分の間?
次の第2項との関連から、この(第1項の)規定は2024年4月1日から有効になります。2024年以降も、しばらくの間は上限規制が適用されません。