10人未満の会社の就業規則
10人未満の会社の就業規則
- 当社の社員数は6名なのですが、就業規則を作成しました。労働基準監督署に届け出た方が良いのでしょうか?
- 10人未満の会社は、就業規則を届け出る必要はありません。
10人未満の会社の就業規則の効力
社員数が10人未満の会社は、就業規則の作成義務がありませんので、労働基準監督署に届け出る必要はありません。
社員が就業規則を見たいと思ったときに、いつでも見られる状態にしておけば、10人以上の会社の就業規則と同じように、就業規則としての効力が発生します。
労働基準法(第32条の2、第32条の3など)でも、このような10人未満の会社の就業規則は、「就業規則に準ずるもの」として、10人以上の会社の就業規則と同等に取り扱われます。
つまり、社員数が10人未満の会社であっても、就業規則の内容を社員に義務付けて、就業規則に基づいた対応が可能になります。
社員数の数え方
社員数が10人以上になると、就業規則の作成と労働基準監督署への届出が義務付けられますが、この社員数は事業所単位でカウントします。
例えば、本社の社員数が6人、東京支店の社員数が5人、大阪支店の社員数が4人とすると、会社全体では15人ですが、個々の事業所の社員数は全て10人未満ですので、就業規則の作成義務はありません。
また、社員の雇用形態は関係なく、パートタイマーやアルバイトも1人としてカウントします。社会保険や雇用保険に加入しているかどうかも関係ありません。ただし、派遣社員は、派遣元の会社の社員としてカウントします。
そして、事業所単位で社員数が10人になったときに、労働基準監督署に届け出て下さい。10人未満でも、労働基準監督署が就業規則の受取を拒否することはありませんので、届け出たければ届け出ても構いません。
10人未満でも就業規則を作成するべきでしょうか?
就業規則を作成すると、会社は就業規則に基づいた対応が可能になり、懲戒処分等が行えるようになります。実際に懲戒処分を行うかどうかは別にして、懲戒処分を行うことがあることを示すだけでも、職場秩序を維持する効果があります。
また、就業規則を作成すれば、労働条件や服務規律が明確になりますので、10人未満の会社でも就業規則を作成することは望ましいです。ルールが明確になると、その場しのぎの対応がなくなりますので、社員も安心できます。
他にも、労働基準法などの法律を遵守したいと考えている会社にとっては、就業規則を作成することが近道になります。
通常、就業規則は労働に関する取扱いを網羅していて、労働基準法等の法律に準拠しています。したがって、会社の取扱いを就業規則の内容に合わせれば、労働基準法などの法律を守れるようになります。
もし、労働基準法違反が発覚して、例えば、割増賃金の支払いを求められたときに、社員数が多いと、それだけ会社に与える影響も大きくなります。社員数が少ない間に、法律を遵守した取り扱いにしておくのが賢明です。
なお、モデル就業規則を利用して作った就業規則も有効になりますので、専門家の助言や指導を受けて作成するようお勧めいたします。