専門業務型裁量労働制の労使協定の届出とは
専門業務型裁量労働制の導入には「労使協定の届出」が必須
労働基準法 第38条の3第2項(専門業務型裁量労働制の労使協定の届出)の条文
前条第3項の規定は、前項の協定について準用する。
労働基準法 施行規則 第24条の2の2第4項
法第38条の3第2項において準用する法第38条の2第3項の規定による届出は、様式第13号により、所轄労働基準監督署長にしなければならない。
【専門業務型裁量労働制の労使協定の届出】の条文の解説です
専門業務型裁量労働制を採用する場合は、従業員の過半数代表者と労使協定を締結して、労働基準監督署に届け出ないといけません。
労使協定を締結しただけで、労働基準監督署に届け出ていない場合は、専門業務型裁量労働制の適用は無効になる?
それは難しいです。時間外労働や休日労働が可能になる36協定については、「これを行政官庁に届け出た場合においては」となっていて、労働基準監督署に届け出ることが条件として規定されています。
企画業務型裁量労働制の規定は?
「当該決議を行政官庁に届け出た場合において」となっていて、労使委員会の決議を労働基準監督署に届け出ることが条件として規定されています。
専門業務型裁量労働制は?
「次に掲げる事項を定めた場合において」となっていて、労使協定を締結することが導入の条件になっています。労使協定の届出は、効力が生じる条件として規定されていません。
労働基準監督署に労使協定を届け出なくても、専門業務型裁量労働制を適用して、みなし労働時間労働したものとみなすことができる?
そういうことではありません。この規定の届出義務に違反していますので、30万円以下の罰金が科される可能性があります。
何かミスがあって注意されるのは嫌だから、労働基準監督署には行きにくい。
間違ったまま進めても、専門業務型裁量労働制は適用できません。ミス等があれば、最初に指摘を受けた方が良いです。
どういうこと?
専門業務に該当すること、正しく労使協定を締結することが、専門業務型裁量労働制を適用するための条件として定められていますが、条件を満たしていない場合は、専門業務型裁量労働制の適用が否定されます。
適用が否定されるとどうなるの?
原則的な労働時間制度の1週40時間、1日8時間の規定が適用されて、さかのぼって割増賃金の支払いが命じられます。
そうなったら大変だ。
数年前にさかのぼって割増賃金を支払うことを考えると、条件を満たしていない場合は最初の段階で指摘を受けた方がダメージが小さいです。
企画業務型裁量労働制は、導入後も年1回の定期報告が義務付けられていたけど、専門業務型裁量労働制は?
定期報告は義務付けられていませんが、労使協定には有効期間を記載することになっていますので、有効期間が経過する前に、改めて労使協定を届け出る必要があります。なお、有効期間は3年以内とすることが望ましいとされています。
当社は専門業務に当てはまる業務がないから、専門業務型裁量労働制を導入することは考えていないよ。
執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。

