労働基準監督官の立ち入り調査(臨検)権限と実務対応

労働基準監督官の3つの大きな権限(臨検・提出要求・尋問)

労働基準法 第101条(労働基準監督官の権限)の条文

労働基準監督官は、事業場、寄宿舎その他の附属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して尋問を行うことができる。

【労働基準監督官の権限】の条文の解説です

労働基準監督官は、会社や寄宿舎に立ち入り調査をして、帳簿や書類の提出を求めたり、経営者や従業員に口頭で説明を求めたりすることができます。

労働基準監督官?

労働基準監督署に配属された職員のことです。労働基準監督官の試験に合格した者の中から任用されます

会社の中に立ち入る権限があるんだ。

労働基準法違反を見付けて、それを是正するのが、労働基準監督官の仕事ですので、そのような権限が認められないと仕事ができません。

追い返すのはまずいね。

はい。労働基準監督官の調査を拒否したり、妨害したり、虚偽の説明をしたり、帳簿・書類を提出しなかったりしたときは、 労働基準法違反として30万円以下の罰金の対象になります。

労働基準監督官が急に来て、私が不在で誰も対応できないときはどうしたらいい?

労働基準監督官に「社長が不在で他に対応できる者がいませんので、日を改めてもらえないですか?」と言うことは、調査の拒否には当たりません。

安心した。

通常は日時を指定して再訪することになると思いますが、証拠を隠滅する恐れがあったり、迅速に処理をする必要があると判断したときは、労働基準監督官には会社に立ち入る権限がありますので、強制的に立ち入る可能性はゼロとは言えません。

提出が求められる帳簿や書類というのは何かな?

労働者名簿賃金台帳、出勤簿(タイムカード)の法定三帳簿は毎回求められます。その他は調査の目的によって、就業規則、雇用契約書(労働条件通知書)、労使協定(36協定)、健康診断の関連書類などがあります。

社会保険労務士 木下貴雄

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。