請負社員の就業規則

請負社員の就業規則

  • 請負で働いている従業員については、就業規則はどこの企業のものが適用されますか?
  • 就業規則は、雇用関係のある会社(請負企業)のものが適用されます。

請負社員の就業規則

請負とは、請負企業に雇用された請負社員が、請負先企業から請け負った仕事について、請負企業の指示を受けて業務に従事することを言います。

発注をする請負先企業の施設・敷地内で作業をすることがありますが、業務の指示をするのは請負企業であって、請負先企業ではありません。派遣の場合は、発注をする派遣先企業が業務の指示をしますので、この点が請負と派遣で異なります。

労働基準法によって、従業員が10人以上の会社は、就業規則の作成と労働基準監督署への届出が義務付けられています。そして、就業規則に必ず記載しなければならない事項として、労働時間、賃金、退職・解雇に関する事項が定められています。

請負の場合は、請負企業が請負社員の労働時間を決定して、請負企業が賃金を支払って、請負企業に解雇の権限があります。全て請負企業が管理をする事項ですので、請負社員には請負企業の就業規則が適用されます。

したがって、請負社員については、請負先企業の就業規則は適用されません。そのため、請負社員が請負先企業の施設・敷地内で違反行為をしたとしても、請負先企業の就業規則に基づいて、請負先企業が請負社員に対して懲戒処分を行うことはできません。

例えば、業務命令違反や無断欠勤等の違反行為をしたときは、請負企業の就業規則に基づいて懲戒処分を行うなど、請負企業の責任で対応することになります。

また、請負先企業が請負契約を打ち切ることはあっても、請負先企業が請負社員を解雇することはできません。請負先企業と請負社員は雇用関係がありませんので、当然、そうなります。

就業規則は労働条件を定めた契約として、雇用関係がある当事者間で成立するものです。請負先企業と請負社員の間には、雇用関係がありません。

なお、労働基準法によって、従業員が10人以上の会社は、就業規則の作成が義務付けられますが、請負先企業においては、請負社員はその従業員数にはカウントしません。

請負先企業、請負企業、どちらの場合でも、就業規則の作成は可能です。

就業規則の適用について