外国人と就業規則

外国人と就業規則

  • 外国人を採用しようと思っていますが、外国人にも会社の就業規則は適用されますか?
  • はい。外国人にも会社の就業規則は適用されます。

外国人への就業規則の適用

法律の適用については、属地主義という原則的な考え方があって、現地の法律が適用されます。

要するに、日本で生活をする者には、日本の法律が適用されます。また、日本にある企業からアメリカの現地法人に出向した日本人には、アメリカの法律が適用されますので、日本の労働基準法等は適用されません。

したがって、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労災保険法、男女雇用機会均等法、育児介護休業法等の労働関係の法律は、日本の企業で勤務をする外国人にも適用されます。

就業規則は労働基準法に基づいて定めるものですので、外国人にも就業規則は適用されて、他の日本人の従業員と同様に取り扱うことになります。

また、労働基準法(第3条)によって、会社は、労働者の国籍を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的な取扱いをすることが禁止されています

外国人であることを理由にして、日本人の従業員と異なる取扱いをしていると、労働基準法に違反する恐れがあります。日本人の従業員と同様に就業規則を適用していれば、問題にはならないと思います。

在留資格と在留期間の確認

ただし、外国人の雇用に関して、特別に注意しないといけないことがあります。

在留資格がない外国人や在留期間が過ぎた外国人に不法就労活動をさせた場合は、不法就労助長罪として、3年以下の懲役、300万円以下の罰金が科されます。

「知らなかった」は通用しませんので、正式に雇い入れる前に採用の条件として、在留資格と在留期間は、必ず、確認してください。

次の書類で在留資格と在留期間を確認できます。偽造の心配があるときは入国管理局で照会できます。

そして、採用を決定した場合は、就業規則の採用時の提出書類として、「その他会社が必要と認めた書類」といった規定があると思いますので、この規定に基づいて必要な書類を提出してもらってください。

その後も外国人の雇用を予定している場合は、就業規則の採用時の提出書類に、次の項目を追加しても良いと思います。

なお、就労資格証明書は、全員が所持している書類ではありませんので、所持者に限定しても良いと思います。

就業規則の適用について