休憩時間の自由利用
休憩時間の自由利用
労働基準法 第34条第3項
使用者は、第1項の休憩時間を自由に利用させなければならない。
【休憩時間の自由利用】の解説です
休憩時間は、自由に利用させないといけません。
当たり前といえば当たり前のことだね。
そうですね。
休憩時間に電話当番をさせていたら、その休憩時間分の賃金(残業手当)を支払うよう労働基準監督署から指導されたっていう話を聞いたんだけど、そんなことってあるの?
休憩時間というのは、業務から完全に解放されている時間を言います。ですので、電話が掛かってきたときに対応しないといけない状態は、休憩時間とは言えないんです。
休憩時間ではないとすると、労働時間になるということ?
そういうことです。労働時間と判断されると、その対価として賃金(残業手当)の支払い義務が生じます。
電話を受ける時間は数分だし、良いんじゃないのって思うんだけど。
電話対応をしている時間だけではなく、他の時間も待機時間として、賃金を支払わされることになります。
待機している時間も労働時間になるんだ?
電話がかかってきたときに対応しないといけないということは、休憩時間中はずっと会社の管理下にあると判断されます。
昼休みの電話はどうすれば良いのかな?
対策としては、次のような方法があります。
- 残業手当の支払い義務がない管理監督者に対応してもらう
- 休憩時間を当番制にして、当番の人の休憩時間をずらす
- 昼休みの電話は出ないようにする
- 従業員に昼休みの電話対応を命じない
「電話対応を命じない」というのはどういうこと?
「昼休みは寝てても良い」、「電話には出なくても良い」、としておけば、会社の管理下から離れることになります。
電話の待機をさせていると、その時間は労働時間になると言ってたから、そうすれば労働時間にはならないんだ。
そうです。ただし、その場合でも、従業員が本人の意思で電話を受けて対応した時間は、労働時間になると判断されます。
「休憩時間の自由利用」に関する裁判例
「休憩時間の自由利用」に関して、次のような裁判例があります。
目黒電報電話局事件(休憩時間中のビラ配布)
住友化学工業事件(休憩時間中の監視業務)