事業場外労働
事業場外労働
労働基準法 第38条の2
労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。
労働基準法 施行規則 第24条の2
法第38条の2第1項の規定は、法第4章の労働時間に関する規定の適用に係る労働時間の算定について適用する。
【事業場外労働】の解説です
従業員が社外で勤務をして、労働時間を把握できないときは、所定労働時間勤務したものとみなします。ただし、所定労働時間を超えることが確実な場合は、その業務に通常必要とされる時間勤務したものとみなします。
どういうケース?
例えば、従業員が営業や取材のために社外で勤務をしている間は、会社が具体的な指示をしたり、管理することができません。
仕事の進め方はある程度、本人に任せないといけないこともある。
そうなると会社の管理が及ばないので、個々の従業員の労働時間を把握することが困難になることから、所定労働時間勤務したものとみなすことが定められています。
直行直帰でタイムカードを押せないときは、定時勤務で残業時間はゼロで良いんだね。
通常はそれで問題ないですけど、労働時間を算定できる場合は、この規定を適用することはできません。
労働時間を算定できる場合というのは、どういう場合?
次のケースが挙げられています。
- 現場に管理者が同行している場合
- 携帯電話で随時指示をしている場合
- 訪問先や帰社時刻を具体的に指示して指示どおり帰社した場合
社内勤務と社外勤務の両方があるときはどうなるの?
社内勤務の時間を含めて、所定労働時間勤務したものとみなします。
社内勤務が終業時刻より遅くなったときは?
社内勤務の時間は把握できますので、社内勤務が終業時刻より遅くなった場合は、その時間に対して残業手当を支払わないといけません。
社外勤務で、実際には定時で終わらないことが確実な業務もあるけど?
そのような場合は、所定労働時間勤務したものとみなすことは不適切ですので、通常必要とされる時間勤務したものとみなすことになっています。
「事業場外労働」に関する裁判例
「事業場外労働」に関して、このような裁判例があります。