坑内労働の労働時間
坑内労働の労働時間とは|休憩時間を含める理由と実務上の注意点
労働基準法 第38条第2項(坑内労働の労働時間)の条文
坑内労働については、労働者が坑口に入つた時刻から坑口を出た時刻までの時間を、休憩時間を含め労働時間とみなす。但し、この場合においては、第34条第2項及び第3項の休憩に関する規定は適用しない。
労働基準法 施行規則 第24条
使用者が一団として入坑及び出坑する労働者に関し、その入坑開始から入坑終了までの時間について様式第11号によつて所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合には、法第38条第2項の規定の適用については、入坑終了から出坑終了までの時間を、その団に属する労働者の労働時間とみなす。
【坑内労働の労働時間】の条文の解説です
従業員が坑内で労働するときは、休憩時間を含めて、坑口に入った時刻から坑口を出た時刻までを労働時間とします。また、このときは、一斉休憩(第34条第2項)、休憩時間の自由利用(第3項)の規定は適用されません。
坑内労働と言うと?
鉱山の坑内やトンネル工事のことです。
我が社は関係ないです。
そうですね。簡単に説明しますと、原則的には、会社の指揮命令下にある時間を労働時間としますので、休憩時間は含みませんが、坑内労働の場合は休憩時間を含めて労働時間とします。
休憩時間も含めるの?
坑内労働の場合は、労働時間や休憩時間の管理が難しいので、坑口を出入りする時間で計算することになっています。
休憩時間がないということ?
第34条第2項(一斉休憩)と第3項(休憩時間の自由利用)の規定の適用は除外されていますが、第1項(休憩時間)の規定の適用は除外されていませんので、労働時間が8時間を超える場合は60分以上の休憩時間を与える必要があります。
実際に休憩時間を与えても、労働時間として取り扱うということ?
そうです。したがって、休憩時間についても賃金の支払い義務が生じます。労働時間に数えますので、割増賃金の対象にもなります。
一斉休憩は適用しない?
坑内の別々の場所で作業をしていたら一斉に休憩を与えることが難しいので、適用が除外されています。
自由利用は?
坑内という特殊な現場ですので、タバコを吸ったり、従業員が自由に行動すると、危険が生じる恐れがあります。坑内の安全を確保するために、一定の制約が許されると考えられています。
特例が定められている?
はい。労働基準監督署の許可が必要ですが、大人数で坑内に出入りするときは時間が掛かりますので、全員が入り終わった時刻から全員が出終わった時刻までを労働時間とする特例が認められています。
執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。

