労働時間の特例とは?1週44時間が認められる条件と注意点【施行規則25条の2】

労働時間の特例の概要と適用条件

労働基準法 施行規則 第25条の2(労働時間の特例)の条文

使用者は、法別表第1第8号、第10号(映画の製作の事業を除く。)、第13号及び第14号に掲げる事業のうち常時10人未満の労働者を使用するものについては、法第32条の規定にかかわらず、1週間について44時間、1日について8時間まで労働させることができる。

労働基準法 施行規則 第25条の2第2項

使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定(労使委員会における委員の5分の4以上の多数による決議及び労働時間等設定改善法第7条の労働時間等設定改善委員会における委員の5分の4以上の多数による決議を含む。以下この条において同じ。)により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、1箇月以内の期間を平均し1週間当たりの労働時間が44時間を超えない定めをした場合においては、前項に規定する事業については同項の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において44時間又は特定された日において8時間を超えて、労働させることができる。

労働基準法 施行規則 第25条の2第3項

使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねることとした労働者については、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、その協定で第2号の清算期間として定められた期間を平均し1週間当たりの労働時間が44時間を超えない範囲内において、第1項に規定する事業については同項の規定にかかわらず、1週間において44時間又は1日において8時間を超えて、労働させることができる。

  1. この項の規定による労働時間により労働させることとされる労働者の範囲
  2. 清算期間(その期間を平均し1週間当たりの労働時間が44時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、1箇月以内の期間に限るものとする。次号において同じ。)
  3. 清算期間における総労働時間
  4. 標準となる1日の労働時間
  5. 労働者が労働しなければならない時間帯を定める場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻
  6. 労働者がその選択により労働することができる時間帯に制限を設ける場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻

労働基準法 施行規則 第25条の2第4項

第1項に規定する事業については、法第32条の3第1項(同項第2号の清算期間が1箇月を超えるものである場合に限る。)、第32条の4又は第32条の5の規定により労働者に労働させる場合には、前3項の規定は適用しない。

労働基準法 施行規則 第25条の3

第6条の2第1項の規定は前条第2項及び第3項に規定する労働者の過半数を代表する者について、第6条の2第3項及び第4項の規定は前条第2項及び第3項の使用者について、第12条及び第12条の2第1項の規定は前条第2項及び第3項による定めについて、第12条の2の2第1項の規定は前条第2項の協定について、第12条の6の規定は前条第2項の使用者について準用する。

労働基準法 施行規則 第25条の3第2項

使用者は、様式第3号の2により、前条第2項の協定を所轄労働基準監督署長に届け出るものとする。

【労働時間の特例】の条文の解説です

従業員数が9人以下の会社で、次の業種に該当する場合は、1週44時間まで労働させることができます。

  1. 小売・卸売・理美容などの商業
  2. 映画館・演劇業など
  3. 病院などの保健衛生業
  4. 旅館、飲食店などの接客娯楽業

1週44時間までさせられると言うのは、どういうこと?

原則的には、1週40時間を超えて労働させることが禁止されていますが、これに当てはまる場合は、例外的に1週44時間まで労働させても違法にはならないということです。結果として、この範囲内の労働時間については、時間外労働にはなりません。

残業手当の支払いはどうなるの?

1週44時間までは法定労働時間内の労働として、1.25倍の時間外勤務手当(残業手当)の支払い義務はありません。

1日8時間のルール・原則は、そのまま適用されます。

変形労働時間制を適用する場合は?

1ヶ月単位の変形労働時間制フレックスタイム制(清算期間が1ヶ月以内)については、1週44時間以内として制度を適用できます。しかし、1年単位の変形労働時間制清算期間が1ヶ月を超えるフレックスタイム制については、1週40時間の法定労働時間の原則が適用されます。

そうなんだ?

1年単位の変形労働時間制は柔軟性があって繁忙期の労働時間を更に増やすと過重労働の危険がありますので、1週44時間の例外の適用は認められていません。

この例外に当てはまる場合は、1週44時間で適用すれば良いね。

会社を大きくしようと考えている場合は、最初から1週40時間を前提にして、労働条件を決定した方が良いと思います。

どうして?

従業員が10人以上になって、1週44時間から1週40時間に切り替えるときに、会社か従業員かどちらかに負担が発生します。

減らすことになる1週4時間分の取扱いが問題になる?

はい。そうです。所定労働時間を1週40時間に減らしたときに、月給制の従業員の賃金をどうするのか検討しないといけません。対応の仕方を間違えると、労使関係が悪化する恐れがあります。

10人以上というのは、パートタイマーやアルバイトも含めて数える?。

はい。従業員数にカウントします。

社会保険労務士 木下貴雄

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。