記録の保存期間

なるほど労働基準法 > その他 > 記録の保存期間

記録の保存期間

労働基準法 第109条

使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を5年間保存しなければならない。

労働基準法 第143条

第109条の規定の適用については、当分の間、同条中「5年間」とあるのは、「3年間」とする。

労働基準法 施行規則 第56条

法第109条の規定による記録を保存すべき期間の計算についての起算日は次のとおりとする。

  1. 労働者名簿については、労働者の死亡、退職又は解雇の日
  2. 賃金台帳については、最後の記入をした日
  3. 雇入れ又は退職に関する書類については、労働者の退職又は死亡の日
  4. 災害補償に関する書類については、災害補償を終つた日
  5. 賃金その他労働関係に関する重要な書類については、その完結の日

労働基準法 施行規則 第56条第2項

前項の規定にかかわらず、賃金台帳又は賃金その他労働関係に関する重要な書類を保存すべき期間の計算については、当該記録に係る賃金の支払期日が同項第2号又は第5号に掲げる日より遅い場合には、当該支払期日を起算日とする。

労働基準法 施行規則 第56条第3項

前項の規定は、第24条の2の2第3項第4号イ、第24条の2の2の2、第24条の2の3第3項第四号イ及び第24条の2の3の2に規定する労働者の労働時間の状況に関する労働者ごとの記録、第24条の2の4第2項(第34条の2の3において準用する場合を含む。)に規定する議事録、年次有給休暇管理簿並びに第34条の2第十五項第四号イからヘまでに掲げる事項に関する対象労働者ごとの記録について準用する。

【記録の保存期間】の解説です

労働者名簿賃金台帳採用解雇、退職災害補償賃金といった労働関係の書類は、5年間保存しないといけません。

5年間というのは何か根拠があるの?

これまでは3年だったのですが、労働基準法が改正されて、2020年4月から5年に延長されました。

何か理由があって労働基準法が改正されたのですか?

民法が改正されて、賃金等の一般債権に関する消滅時効の期間が5年になりました。

その基になる書類も同じ期間、保存しなさいということだ。

そうです。ただし、いきなり5年に延長すると支障が生じる恐れがありますので、当分の間は3年とされています。

3年?これまでの保存期間は3年と言っていなかった?

はい。結果的に、書類(記録)の保存期間については、変更はありません。

なるほど。それで、3年というのは、いつからカウントするのかな?

それぞれ次の日から3年間となっています。

  1. 労働者名簿は、従業員が退職した日(解雇された日)
  2. 賃金台帳は、最後の記入をした日
  3. 採用、退職、解雇に関する書類は、従業員が退職した日(解雇された日)
  4. 災害補償に関する書類は、災害補償が終わった日
  5. その他の労働関係の書類は、処理が完結した日

「その他の労働関係の書類」に該当するのはどんな書類?

出勤簿、タイムカード、労使協定などが該当します。残業申請指示書、残業報告書など、始業時刻、終業時刻を記録した書類があれば、それらも該当します。

雇用保険の書類があるけど、この規定とは関係ない?

雇用保険の書類の保存期間については、雇用保険法で定められています。

3年ではない?

雇用保険の他にも関連する法律ごとに、書類の保存期間が定められています。具体的には、次のとおりです。

保存期間書類名法律
5年健康診断の結果労働安全衛生法
4年雇用保険の従業員に関する書類雇用保険法
3年労災保険に関する書類労災保険法
2年健康保険に関する書類健康保険法
2年厚生年金保険に関する書類厚生年金保険法
2年雇用保険に関する書類雇用保険法

バラバラだね。

はい。このような書類は特別な事情がない限り、後で使うことはありませんので、表紙に「保存期限○年○月まで」と書いて、年度ごとにまとめて、期限が経過した書類から破棄していくのが良いと思います。