生理休暇の記載|就業規則の規定例

就業規則には生理休暇について規定しないといけない?

  • 生理休暇は、就業規則に記載しなくてもいいでしょうか?
  • 原則的には、就業規則に記載しないといけません。

労働基準法の定め

労働基準法では、就業規則に必ず記載しなければならない事項として、「休暇」に関する事項が定められています。

したがって、生理休暇に限らなくて、産前産後休業や育児休業、介護休業、育児時間等の休暇については、就業規則に規定しないといけません。

ただし、就業規則で、「この就業規則に定めのない事項については、労働基準法等の法令の定めるところによる」といった規定を設けている場合は、労働基準法等の法令が適用されることになりますので、休暇の規定はなくても構いません。

正しい運用を行うために

就業規則に生理休暇の記載がないとしても、生理休暇は労働基準法で認められている権利ですので、社員が請求したときは、会社は生理休暇を与えないといけません。

社員が生理休暇を請求したときに、就業規則に生理休暇の記載がないと、上司が法律を知らないで、社員の請求を拒否する恐れがあります。生理休暇の請求を拒否すると、労働基準法違反になってしまいます。

したがって、間違った取扱いを防止するために、生理休暇など法令で定められている休暇は全部就業規則に記載しておくことが望ましいです。

特に、育児休業と介護休業については、法律(育児介護休業法)が複雑ですので、育児介護休業規程として、必要な手続きや会社の対応等について定めておくことが望ましいです。そのときになって慌てないで済みます。

トラブルの原因に

生理休暇や残業手当の計算方法、年次有給休暇の付与日数等について、「就業規則に記載したくない」と言う経営者がたまにいらっしゃいます。「会社にとって都合が悪い内容を就業規則に記載すると、そのとおりに請求されるから」というのが理由のようです。

そのような意図があって就業規則に記載しないという会社は、社員とトラブルになる可能性が高く、業績の向上も見込めないように思います。

生理休暇や育児休業、残業手当の支払い等は法律で認められている制度ですので、就業規則に記載していなくても、社員は請求できます。最近は、調べれば直ぐに分かりますので、会社に都合が悪いことを隠し通すことは不可能です。

会社が、社員には知られていないだろうと思って、生理休暇や育児休業、残業手当の支払いといった、社員の正当な請求を拒否するとトラブルになります。

また、会社に都合が悪い内容を就業規則に記載していないと、社員は会社に対して不信感を持ちます。労使間でお互いに不信感を持っていては、仕事に集中することができずに、業績が向上することは考えにくいです。

社員の正当な権利を認める代わりに、仕事では成果を上げて欲しいというスタンスが望ましいと思います。社員の権利は認めないけど、仕事の成果だけは求めるという考えは成り立たちません。

成果を上げれば権利を認めるという考えもあり得ません。そう言う経営者は、成果だけを求め続けて、いつまでたっても社員の権利を認めることはないでしょう。

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