休暇、休業、休日の違い|就業規則の規定例

休暇、休業、休日の違い

  • 就業規則に“休暇”や“休業”という記載がありますが、何が違うのでしょうか?
  • 休暇と休業は、法律的な意味は同じです。就業規則を作成するときは、どちらで記載しても構いませんが、労働基準法等の法律上の呼び方に合わせるのが良いと思います。

休暇、休業、休日の違い

労働基準法等の法律において、“休業”や“休暇”の定義は定められていません。休業と休暇はどちらも出勤日の勤務を免除するという点は同じで、厳密に区別されることはありません。

「休業」は、法律で次のように定められています。

「休暇」は、法律で次のように定められています。

法律上は、このように規定されていて、就業規則を作成する場合も、これに合わせて休業と休暇を使い分けているものが多いです。

それぞれを見比べると、休業は長期間に及ぶ場合に用いられます。産前産後休業は産前6週間産後8週間、育児休業は原則1年、介護休業は合計93日です。

一方の休暇は、基本的には1日単位で取得するものに用いられます。年次有給休暇は年間で最大20日、子の看護休暇は年間で原則10日、介護休暇も年間で原則10日です。

生理休暇については、労働基準法に休暇の記載はありませんが、長期間に及ぶことはありませんので、厚生労働省のモデル就業規則等では、生理休暇と呼ばれています。

法律的な違いはありませんので、就業規則には休業でも休暇でも、どちらで記載しても構いません。しかし、「育児休業」と「子の看護休暇」、「介護休業」と「介護休暇」については、就業規則を作成するときは、このままの名称で記載した方が良いです。

休業と休暇が入れ違ったりすると、間違って解釈される恐れがありますので、法律上の呼び方に合わせるのが無難です。

また、休業と休暇に似たものとして、休日があります。休んで出勤しないという点は共通していますが、意味合いが大きく異なります。

休日は、出勤日でない日(労働する義務がない日)のことを言います。一方、休業と休暇は、出勤日(労働する義務がある日)の勤務を免除することを言います。元々の前提が異なります。

この違いがあるため、年次有給休暇は休日に取得することができません。年次有給休暇は、出勤日に限って取得できます。


執筆者 社会保険労務士 木下貴雄
2002年にキノシタ社会保険労務士事務所を開業し、就業規則を専門として、業務に取り組んできました。現在は、メールによるサービスの提供に特化して、日本全国の中小零細企業のサポートを行っています。

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