労働基準監督官の即時命令
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労働基準監督官の即時命令
労働基準法 第103条
労働者を就業させる事業の附属寄宿舎が、安全及び衛生に関して定められた基準に反し、且つ労働者に急迫した危険がある場合においては、労働基準監督官は、第96条の3の規定による行政官庁の権限を即時に行うことができる。
【労働基準監督官の即時命令】の解説です
寄宿舎に安全衛生上の問題があって、差し迫った危険があるときは、労働基準監督官は直ちに寄宿舎の使用停止等を命じることができます。
似たような規定があったと思うけど?
はい。労働基準法第96条の3で、安全衛生上の問題があるときは、労働基準監督署は寄宿舎の使用停止等を命じられることが定められています。
それと何が違うの?
この規定に基づいて使用停止等を命じられるのは、「差し迫った危険があるとき」に限られます。条文では「労働者に急迫した危険がある場合」となっています。
労働基準法第96条の3の場合は、事業附属寄宿舎規程に違反しているけど、そこまで緊急事態ではないということだ。
そうです。廊下の照度といった基準もありますので、そういう違反では命じられません。それと、労働基準法第96条の3は”労働基準監督署”が命じるのですが、こちらは”労働基準監督官”の権限で行います。
どう違うの?
労働基準監督署という行政機関の対応を待っていては手遅れになることも考えられます。
急迫した危険がある場合だから、一旦、労働基準監督署に持ち帰っていると、その間に危険が現実になるかもしれない。
そういう場合は、労働基準監督官が個人の判断で、その現場で使用停止等を命じられることになっています。
使用停止等は会社に対して命じると思うけど、従業員も対象になるのかな?
はい。労働基準法第96条の3の第2項で従業員を対象にした同様の規定がありますので、従業員も対象になります。