賃金の銀行振込は違法?本人同意の要件とデジタル払いを解説
銀行振込は原則違法?例外として認められる条件
労働基準法 施行規則 第7条の2(賃金の銀行振込等による支払)の条文
使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について次の方法によることができる。ただし、第3号に掲げる方法による場合には、当該労働者が第1号又は第2号に掲げる方法による賃金の支払を選択することができるようにするとともに、当該労働者に対し、第3号イからヘまでに掲げる要件に関する事項について説明した上で、当該労働者の同意を得なければならない。
- 当該労働者が指定する銀行その他の金融機関に対する当該労働者の預金又は貯金への振込み
- 当該労働者が指定する金融商品取引業者に対する当該労働者の預り金への払込み(以下省略)
- 資金決済に関する法律第36条の2第2項に規定する第2種資金移動業を営む資金決済法第2条第3項に規定する資金移動業者であつて、次に掲げる要件を満たすものとして厚生労働大臣の指定を受けた者のうち当該労働者が指定するものの第2種資金移動業に係る口座への資金移動(以下省略)
労働基準法 施行規則 第7条の2第2項
使用者は、労働者の同意を得た場合には、退職手当の支払について前項に規定する方法によるほか、次の方法によることができる。
- 銀行その他の金融機関によつて振り出された当該銀行その他の金融機関を支払人とする小切手を当該労働者に交付すること。
- 銀行その他の金融機関が支払保証をした小切手を当該労働者に交付すること。
- 郵政民営化法第94条に規定する郵便貯金銀行がその行う為替取引に関し負担する債務に係る権利を表章する証書を当該労働者に交付すること。
労働基準法 施行規則 第7条の2第3項
地方公務員に関して法第24条第1項の規定が適用される場合における前項の規定の適用については、同項第1号中「小切手」とあるのは、「小切手又は地方公共団体によつて振り出された小切手」とする。
【賃金の支払】の条文の解説です
賃金は通貨で直接従業員に支払わないといけませんが、従業員が同意した場合は、次の方法で賃金を支払うことができます。
- 従業員が指定する銀行等の金融機関への振込み
- 従業員が指定する金融商品取引業者への払込み
- 従業員が指定する資金移動業者への資金移動
当社では銀行口座に振り込んで賃金を支払っているけど?
労働基準法上は、賃金は現金で従業員に手渡しで支払うことが原則となっていますが、本人が同意した場合は、金融機関への振込みによって支払う方法が認められています。
同意というのは書類の押印が必要?
本人が振込先の銀行口座を指定すれば、振込に同意したものと考えられますが、会社から従業員に「口座振込同意書」を渡して、それに記入してもらう方法が望ましいです。
銀行等の金融機関以外も認められている?金融商品取引業者というのは?
証券会社、投資運用会社、投資顧問会社などが該当します。
資金移動業者というのは?
「賃金のデジタル払い」と呼ばれて、○○Payに資金を移動して支払う方法です。厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者に限られて、PayPay株式会社、株式会社リクルートMUFGビジネス、楽天Edy株式会社、auペイメント株式会社などが認められています。
今の所は考えていないけど、退職手当も特別な方法が認められている?
退職手当(退職金)については、本人が同意すれば小切手で支払うことができます。
周りの会社で小切手で退職金を支払っているという話は聞いたことがない。
執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。

