付与義務がある5日から控除

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付与義務がある5日から控除

労働基準法 第39条第8項

前項の規定にかかわらず、第5項又は第6項の規定により第1項から第3項までの規定による有給休暇を与えた場合においては、当該与えた有給休暇の日数(当該日数が5日を超える場合には、5日とする。)分については、時季を定めることにより与えることを要しない。

労働基準法 施行規則 第24条の7

使用者は、法第39条第5項から第7項までの規定により有給休暇を与えたときは、時季、日数及び基準日(第1基準日及び第2基準日を含む。)を労働者ごとに明らかにした書類(第55条の2において「年次有給休暇管理簿」という。)を作成し、当該有給休暇を与えた期間中及び当該期間の満了後5年間保存しなければならない。

【付与義務がある5日から控除】の解説です

1年につき5日の有給休暇を与えることが義務付けられていますが、従業員が請求して取得した日数、計画的付与により取得した日数については、付与義務がある5日から控除できます。

会社が時季を定めて与えないといけないと記載していたと思うけど、そういうことではない?

条文ではそのように記載されていますが、従業員が自発的に1年に5日以上年次有給休暇を取得したときは、会社から時季を定めて取得させる必要はありません。

政府としては有給休暇の取得率を上げたいということだから、自発的に有給休暇を取得できる職場は放っておいても良いということかな。

そうですね。そういう職場の従業員は、「有給休暇は自分の好きなタイミングで取得するから、会社は取得日に口を出さないで欲しい」と思うかもしれません。

従業員に対して、1年に5日以上取得するよう指示をして、義務付けておけば大丈夫?

漠然と本人に指示をしただけでは、実際には取得しないことも考えられます。そうなると、会社が法律違反を犯したことになってしまいます。

日々の業務で後回しになって、結果的に取得できなかったということもありそうだ。

適正に有給休暇を取得しているか管理・確認をするために、会社は「年次有給休暇管理簿」を作成することとされています。

年次有給休暇管理簿?どういう帳簿?

年次有給休暇管理簿には、従業員ごとに、次の事項を記載することになっています。

  • 付与日
  • 取得日数
  • 取得時季

未消化の者がいないか、定期的にチェックするということか。それは書面ではなく、パソコンで記録していても良い?

はい。構いません。なお、年次有給休暇管理簿は、5年間は保存することが義務付けられます。

でも、個人個人で管理しないといけないと大変そうだ。

管理が面倒な場合は、計画的付与で強制的に5日を消化することにしておけば、5日未満の従業員の有無をチェックしたりする手間が省けます。

計画的付与で消化した日数も控除できるんだ。

はい。ただし、計画的付与で5日を消化することにした場合は、それ以上は会社が時季を指定して有給休暇を消化させることはできませんので注意してください。

5日は消化させないといけないけど、それ以上は口出しをするなということ?

5日を超える分は個人的な事情で取得できるように残しておくこととされています。本人が自発的に申し出て、既に5日の有給休暇を消化した場合も同じです。