労働基準監督官が行う「司法警察官」の職務

「行政上の立ち入り」と「刑事上の強制捜査」の違い

労働基準法 第102条(司法警察官の職務)の条文

労働基準監督官は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行う。

【司法警察官の職務】の条文の解説です

労働基準法違反について、労働基準監督官は司法警察官の職務を行います。

司法警察官の職務?

令状によって、会社を強制捜査したり、検察に送致したりすることができます。

労働基準監督官は会社に立ち入る権限があったと思うけど、それと強制捜査は違うの?

外見上は同じかもしれませんが、強制捜査は司法事件として、裁判所の令状を持って行います。立ち入りは行政上の権限に基づいて行うもので、強制捜査とは区別して行うことになっています。

検察に送致というのは?

「労働基準法違反で書類送検された」という話は聞いたことがあると思いますが、そのことです。労働基準法違反に該当するかどうかを判断するために、専門的な知識が必要なケースもありますので、一般の警察官だけではなく、労働基準監督官も送検できることになっています。

労働基準監督署の職員は、そんなこともできるんだ。

特定の法律に限定して司法警察官の権限が与えられた者は、一般の警察官(一般司法警察職員)と区別して「特別司法警察職員」と呼ばれます。

そう言えば、労働基準監督署の”しょ”は怖い方の”署”だ。税務署、警察署。

はい。公共職業安定所や年金事務所の職員とは権限の大きさが違います。

労働基準監督官は拳銃とか手錠は持ってるの?

拳銃は持っていないですけど、労働基準監督署には手錠が置いてあると聴いたことがあります。労働基準法に違反して、是正勧告に従わないなど悪質な場合は、刑事事件に発展することがありますので、そうならないように日頃の労務管理をしっかり行いましょう。

社会保険労務士 木下貴雄

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。