休業補償の額の改訂(労働基準法76条2項)

世間の賃金水準に合わせて補償額を調整する仕組み

労働基準法 第76条第2項(休業補償の額の改訂)の条文

使用者は、前項の規定により休業補償を行つている労働者と同一の事業場における同種の労働者に対して所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金の、1月から3月まで、4月から6月まで、7月から9月まで及び10月から12月までの各区分による期間(以下四半期という。)ごとの1箇月1人当り平均額(常時100人未満の労働者を使用する事業場については、厚生労働省において作成する毎月勤労統計における当該事業場の属する産業に係る毎月きまつて支給する給与の四半期の労働者1人当りの1箇月平均額。以下平均給与額という。)が、当該労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかつた日の属する四半期における平均給与額の100分の120をこえ、又は100分の80を下るに至つた場合においては、使用者は、その上昇し又は低下した比率に応じて、その上昇し又は低下するに至つた四半期の次の次の四半期において、前項の規定により当該労働者に対して行つている休業補償の額を改訂し、その改訂をした四半期に属する最初の月から改訂された額により休業補償を行わなければならない。改訂後の休業補償の額の改訂についてもこれに準ずる。

【休業補償の額の改訂】の条文の解説です

休業補償を行っている従業員と同種の従業員に対して支払われる通常の賃金の1ヶ月当たりの平均額が、当初と比較して120%を超えるか、80%未満になったときは、会社はその比率に応じて、休業補償の額を改訂しないといけません。改訂した後の休業補償の額についても同様です。

よく分からないんだけど。

同種の従業員の賃金の四半期ごとの平均額が、当初と比べて20%を超えて上昇または低下した場合には、その変動率に応じて休業補償の額も変更するという仕組みです。

年金の額が物価に合わせて変動するのと似たようなことかな。

そうです。休業補償は長期間に及ぶことがあります。今は物価も賃金も急激に変動することはありませんが、昔はそういうこともありました。

比較の対象となる同種の従業員というのは?

従業員数が100人以上の会社の場合は、その会社内で、休業補償を受けている従業員と同じ職種、同じ条件で就業している者です。1月から四半期ごとに区切って、当初の賃金の平均額と比較をします。

100人未満の会社の場合は?

厚生労働省で毎月勤労統計という賃金の調査を行っていて、調査結果に基づいて、同じ産業で働く人の賃金が基準になります。

どのタイミングで休業補償の額を改訂する?

四半期ごとに区切って、プラス・マイナス20%を超えて変動したときは、その次の次の四半期から、休業補償の支給額をその比率に応じて改訂します。

社会保険労務士 木下貴雄

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。