経過措置とは?意味と具体例(賃金時効・割増賃金率)
経過措置が設けられる理由
労働基準法 第115条の2(経過措置)の条文
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃するときは、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
【経過措置】の条文の解説です
労働基準法に基づいて省令や施行規則を制定、改廃するときは、経過措置を定めることがあります。
経過措置?
はい。企業経営に大きな影響が及ぶ変更をすると現場が混乱しますので、数年掛けて段階的に変更したり、数年間の猶予期間を設けたり、経過措置を設定することがあります。
民法の改正に伴って、賃金の時効が2年から5年に延長されたけど、経過措置として、当分の間は3年の小幅な延長になった。
それでも1.5倍ですから、複数の従業員から、3年前にさかのぼって未払いの残業手当を請求されると、経営上大きなダメージを受けることになります。
確かに。経過措置ということは、時効の期間は将来的には5年に延長されるということ?
今の所、正式には決まっていませんが、その可能性は十分あります。月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率が50%に引き上げられたときは、中小企業については、10年以上の経過措置・猶予期間が儲けられました。
そんなに時間差がありましたか。
割増賃金率の引き上げは、大企業が先行して2010年4月から適用されて、中小企業については2023年4月から適用されました。一応、時効も割増賃金率も経過措置は労働基準法の本則で規定されていましたので、施行規則ではありませんが、考え方としてはそうです。
執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。メールを用いた関連サービスは20年以上の実績があり、全国の中小零細企業を対象に、これまで900社以上の就業規則の作成・変更に携わってきました。

