就業規則の製本
就業規則の製本
- 就業規則を作成しましたが、製本した方が良いでしょうか?
- 労働基準法では特に決まりはありません。会社の考えによりますが、そこまでする必要はないと思います。
就業規則の製本
労働基準法(第89条)によって、従業員が10人以上の会社は就業規則を作成して、労働基準監督署に届け出ることが義務付けられています。
また、労働基準法(第106条)によって、就業規則は、職場の見やすい場所に掲示したり、備え付けたり、書面を従業員に交付したり、パソコン等で閲覧できるようにしたりして、従業員に周知することが義務付けられています。
作成した就業規則を製本するかどうかは、労働基準法では触れられていません。上の2つの規定を満たしていれば、問題はありませんので、就業規則の体裁をどのようにするかは会社の自由です。
社内で保管する就業規則
社内で保管する就業規則について、背表紙を糊付けしたり、製本テープを使ったりして、丁寧に製本している就業規則を見掛けることがあります。
しかし、将来、就業規則の一部を変更して、1ページだけ差し替えたいと思ったときに、就業規則を製本していると、差し替えが面倒です。そのため、就業規則の差し替えが後回しになって、法改正に対応できなかったり、実際の取扱いと違ったりして、そのまま放置することになりかねません。
このようなことを考えると、A4のフラットファイルで綴じる方法がお勧めです。そうすれば就業規則を変更したときに、簡単に差し替えられます。
労働基準監督署に提出する就業規則
就業規則は2部作成して、労働基準監督署に届け出ると、1部は会社用の控えとして返却されます。この2部についても製本する必要はありません。
労働基準監督署に提出する就業規則については、2部ともホチキスで留めるだけでも構いません。なお、2穴パンチで綴じて保管することを想定すると、その部分にはホチキスは使わないで、左上に1点留めが無難です。
昔に、左上にホチキスで1点留めの方法で就業規則を労働基準監督署に提出したときに、職員さんから「就業規則は製本されるより、こちらの方が助かります」と言われた経験があります。
就業規則のページ数が多くてホチキスで綴じにくい場合は、A4のフラットファイルを使って提出しても構いません。
以上のとおり、手間や費用を掛けて就業規則を製本する必要はないように思います。
なお、就業規則は電子申請で届け出て、パソコン等で閲覧できるようにして従業員に周知していれば、製本等を考える必要はありません。
執筆者 社会保険労務士 木下貴雄
2002年にキノシタ社会保険労務士事務所を開業し、就業規則を専門として、業務に取り組んできました。現在は、メールによるサービスの提供に特化して、日本全国の中小零細企業のサポートを行っています。