CD−ROMによる就業規則の届出
CD−ROMによる就業規則の届出
- 就業規則はCD−ROMで届け出ることができるのでしょうか?
- 労働基準監督署に就業規則を届け出るときは、CD−ROMによる届出も認められています。
CD−ROMによる就業規則の届出
会社が就業規則を作成、変更したときは、労働基準法により、その就業規則を労働基準監督署に届け出ることが義務付けられています。
通常、就業規則は、A4サイズの用紙にプリントアウトをして、紙の書面で労働基準監督署に提出するケースが一般的です。
最近は、ペーパーレス化が進んでいる会社が増えていますが、就業規則についても、電子媒体による届出が認められています。ただし、電子媒体については様々な形式がありますので、通達により、一定の条件が定められていて、これをクリアしないといけません。
条件については、ハードウェアの普及状況やOSのバージョンアップ等に伴って、平成25年4月27日からは、次のように3つの条件が定められています。
1.電子媒体の種類
電子媒体にはいくつかの種類がありますが、次のものに限られます。
- CD−ROM (再生専用形コンパクトディスク)
- CD−R (書き込み可能形コンパクトディスク)
- CD−RW (リライタブル光ディスク)
- DVD−R (DVD−レコータブルディスク)
- DVD−RW (DVD−リレコータブルディスク)
フロッピーディスクによる届出は、平成25年4月26日までは認められていたのですが、労働基準監督署のハードウェアの更改に伴って読み込みができなくなったため、現在は利用できません。
ここにはUSBやSDカードは含まれていませんので、USBやSDカードを労働基準監督署に持って行ったとしても受け付けてもらえません。
USBやSDカードはデータが劣化しやすくて、5年10年という長期保管には向いていないので、対象外になったものと思います。
2.電子媒体のフォーマット
電子媒体(CDやDVD)にはいくつかのフォーマットがありますが、WindowsXP、WindowsVista、Windows7上で動作する、次のものに限られます。
- ISO9660
- UDFブリッジ
- UDF1.02
- UDF1.5
- UDF2.0
- UDF2.01
Windows7を搭載したパソコンでフォーマットしたCDやDVDであれば、通常は、ここのどれかに当てはまるはずです。
3.電子媒体の文書形式
電子媒体の文書形式は、原則として、HTML形式とされています。
通達でも「原則としてHTML形式」となっていますので、HTML形式で表示して確認できれば受け付けてもらえるのではないかと思います。
HTMLファイルを置いてそこからリンクを辿れば、txtファイルやpdfファイルは表示できますので受付可、wordファイルは表示できませんので受付不可ということなのでしょうか。(確認はしていません。)
wordファイルは、マクロにウイルスを組み込んで感染させる危険が考えられることから、対象外になったものと思います。
書面が必要なもの
就業規則の本体と就業規則(変更)届は電子媒体による提出が認められていますが、就業規則に添付する意見書は、電子媒体で提出することはできません。
意見書には、従業員の過半数代表者や過半数組合の意見を書いてもらって、署名をすることになっています。HTML形式では誰が意見を書いたのかを特定することが難しいので、意見書については、通常どおり、書面による届出になります。
個人的には、wordファイルで作ったものをHTML形式に変換する手間を考えると、プリントアウトをして郵送で届け出る方法の方が効率的と思います。