従業員の呼び方(パートタイマーとアルバイトの違い)|就業規則の規定例

従業員の呼び方(パートタイマーとアルバイトの違い)

  • 就業規則を作成しようと思っていますが、パートタイマーとアルバイトの違いは何でしょうか?
  • パートタイマーやアルバイトというのは、それぞれの会社の呼び方であって、法律上の定義はありません。

従業員の呼び方(パートタイマーとアルバイトの違い)

従業員の呼び方は、それぞれの会社の自由です。どのような者を「パートタイマー」と呼んだり、「アルバイト」と呼んだりするのかは、それぞれの会社が決定することです。

関係しそうなものとして、「パートタイム労働法」と呼ばれる法律がありますが、これは通称で、正式な名称は「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」と言います。

この法律が適用される者として、「短時間労働者」の定義が定められていて、1週間の所定労働時間が正社員より短い者とされています。また、「有期雇用労働者」の定義も定められていて、期間の定めのある労働契約を締結している者とされています。

したがって、1週間の所定労働時間が正社員と同じパートタイマーについては、パートタイム労働法は適用されません。会社でパートタイマーと呼ばれているかどうかは関係ありません。

ただし、期間の定めのある労働契約を締結しているパートタイマーについては、「有期雇用労働者」としてパートタイム労働法が適用されます。

なお、これまで就業規則を作成してきた経験で言うと、パートタイマーもアルバイトも時間給で勤務をする点は同じで、両者が併存している会社においては、パートタイマーは無期雇用、アルバイトは学生が中心で短期雇用としている傾向があります。

また、労働基準法、労働安全衛生法、労災保険法等では、「労働者」となっていて、正社員、パートタイマー、アルバイト、契約社員、嘱託従業員など、会社に雇用されている者は全て平等に適用されます。

「正社員」についても、法律上の定義はありません。会社の就業規則によって書き方は様々で、「正規従業員」「正職員」「社員」「従業員」「常用職員」等としているケースがあります。従業員の呼び方は何であっても問題はありません。

しかし、従業員の呼び方に関して、重要なことが1つだけあります。会社の就業規則で、呼び方(正社員、パートタイマー、アルバイト、契約社員、嘱託従業員等の雇用形態)ごとに、具体的に定義付けをして、それぞれが認識違いをしないようにすることです。

稀に、正社員、パートタイマー、アルバイト、契約社員、嘱託従業員等の種類・雇用形態だけが記載されていて、定義付けが記載されていない就業規則を見掛けることがあります。このような就業規則は危険です。

例えば、会社としてはパートタイマーと認識している者であっても、正社員と同じような仕事を長年行っていると、自分のことを正社員と認識する恐れがあります。そうなると、正社員と同様に、退職金を支払うよう請求されるかもしれません。

繰り返しになりますが、呼び方(正社員、パートタイマー、アルバイト、契約社員、嘱託従業員等の雇用形態)、及び、それぞれの定義付けは法律で定められているものではなく、会社が決定することですので、会社の実態に合わせて就業規則に記載してください。

また、労使間の認識違いを予防するために、就業規則の記載に加えて、採用時に交付する雇用契約書や労働条件通知書に、「雇用形態」の欄を設けてそれを明示することが望ましいです。

らくらく就業規則作成では、雇用形態ごとに違いが分かるように定義付けをして、就業規則を作成いたします。

総則について