契約社員に適用する就業規則

契約社員用の就業規則

  • 契約社員を採用したのですが、契約社員用の就業規則がありません。問題がありますでしょうか?
  • 正社員用の就業規則が適用されますので、直ぐに対処する必要があります。

契約社員にも正社員用の就業規則が適用される

労働基準法により、社員数が10人以上になると、就業規則の作成が義務付けられます。例えば、契約社員が2人だけでも、正社員が9人いると、合計で10人以上になりますので、就業規則を作成しないといけません。

そして、正社員用の就業規則しかないときは、契約社員にも正社員用の就業規則が適用されます。

契約社員と交わした雇用契約書で、「就業規則は適用しない。労働条件は雇用契約書による。」としていても、このような内容は認められません。就業規則が適用されない社員が存在することになって、労働基準法に違反することになります。

このような状態は認められませんので、いずれかの就業規則が適用されることになります。結果的に、契約社員にも、正社員用の就業規則が適用されることになります。

そうなると、退職金の支払いや休職の適用などでトラブルになることが考えられます。

対処法としては、まずは、就業規則で契約社員の定義付けを行うことです。正社員や他の社員との違いを明確にするためです。

次に、契約社員に、どの就業規則を適用するのか明確にします。

  1. 正社員用の就業規則を適用することにして、部分的に手直しをする
  2. 新たに契約社員用の就業規則を作成する

雇用形態別の就業規則

契約社員に限りませんが、正社員の他に、例えば、パートタイマー、アルバイト、嘱託従業員など、雇用形態ごとに適用する就業規則を作成する方法が考えられます。

そして、労働基準法等の改正があって、就業規則を変更する必要が生じたときは、この場合は、5つの就業規則を変更しないといけません。また、就業規則を職場の書棚に備え付けている場合は、5つの就業規則を印刷して、差し替えないといけません。

雇用形態別に就業規則があると分かりやすいですが、その反面、管理の手間が掛かります。

そのため、「月給制の者に適用する就業規則」と「時間給制の者に適用する就業規則」の2つの就業規則を作成して、どちらかに当てはめて運用する方法が効率的と思います。

労働時間、休日、慶弔休暇、賃金(手当)の構成、賞与、休職制度など、雇用形態別に取扱いが異なる部分を一覧表にして整理してください。大まかに、月給制の者と時間給制の者に分かれて、2つの就業規則で対応できそうと実感・納得できると思います。

まずは、正社員とパートタイマーなど、それぞれ主体となる者を想定した就業規則を作成します。

次に、契約社員やアルバイト等で、取扱いが異なる部分があれば、「ただし、契約社員については適用しない」のように、但し書きで明示します。そうすれば実態に合った就業規則が出来上がります。

普通は、月給制の者同士、時間給制の者同士で取扱いが共通していて似ていますので、但し書きで明示する部分は多くないと思います。

別規則の作成について