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津田沼電車区事件 事件の概要

28日に年次有給休暇の請求をしていました。

一方、その会社の労働組合では、当初、29日にストライキを予定していたのですが、繰り上げて28日から実施することになり、28日にストライキを実施しました。

そして、年次有給休暇の請求はそのままにして、従業員は28日の勤務をしないで、ストライキに参加しました。

そのため、会社は、その日を年次有給休暇として取り扱わないで、欠勤として賃金をカットしました。

そこで、従業員は、カットした賃金の支払いを求めて提訴しました。

津田沼電車区事件 判決の概要

従業員は、たまたま先に請求していた年次有給休暇を維持したまま、職場を離脱して、会社の正常な業務の運営を阻害する目的をもってストライキに参加した。

労働基準法で定める年次有給休暇は、業務を運営するための正常な勤務体制が存在することを前提としている制度である。

従業員が行った職場離脱は、この前提を満たさないもので、年次有給休暇の趣旨に反するものである。

したがって、本来の年次有給休暇とは言えないから、年次有給休暇は成立しない。

解説−有給休暇の付与

年次有給休暇をどのように利用するかは、原則的には、従業員の自由です。しかし、年次有給休暇の利用目的が、一斉休暇闘争の場合は事情が異なります。

一斉休暇闘争は、従業員が一斉に休暇を取得して、事業の正常な運営を妨げようとするものです。

しかし、労働基準法では、「事業の正常な運営を妨げる」場合には、時季変更権を行使することが認められていて、事業の正常な運営を確保できることが前提となっています。

したがって、一斉休暇闘争は、年次有給休暇の前提を欠くものですので、年次有給休暇は成立しないことになります。この場合は、欠勤として賃金を控除することができます。