割増賃金の基礎

法定労働時間と法定休日

労働基準法により、1日8時間、又は、1週40時間を超えて労働させることが禁止されています。これを法定労働時間と言います。

この法定労働時間を超えて労働させることは、本来は、労働基準法違反となる行為です。

また、労働基準法では、1週間に最低1日は休日を与えることが義務付けられています。この最低限の休日を法定休日と言います。

したがって、1週間休みなく出勤させることも、本来は、労働基準法違反となる行為です。

このような取り扱いが原則なのですが、

  1. 従業員の過半数代表者と36協定を締結して、
  2. この36協定を労働基準監督署に届け出て
  3. 就業規則に時間外労働や休日労働を命じることがあるという規定を設けていれば、

法定労働時間を超えて労働させることができ、法定休日に出勤させることもできるようになります。

割増率

このような手続きをしていれば労働基準法違反にはならないのですが、その時間の労働に対しては、次のように、賃金を割増で支払うことが労働基準法で定められています。

  1. 法定労働時間を超えて労働させたときは、1.25倍
  2. 法定休日に労働させたときは、1.35倍
  3. 深夜(22時から翌日5時まで)の時間帯に労働させたときは、0.25倍

それぞれ、時間外勤務手当、休日勤務手当、深夜勤務手当などと呼ばれます。会社によっては、残業手当、超過勤務手当などと呼ばれますが、呼び方に特に決まりはありません。

割増賃金の算定の基礎となる賃金

割増賃金は、「通常の労働時間の賃金」を基準にして、1.25倍や1.35倍の割増率で支払うことになっています。そして、割増賃金の算定の基礎となる賃金から、

  1. 家族手当
  2. 通勤手当
  3. 別居手当
  4. 子女教育手当
  5. 住宅手当
  6. 臨時に支払われた賃金
  7. 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

は福利厚生的に支払われているものとして、除外することが認められています。逆に言うと、これら以外を除外することは認められません。なお、これらは手当の名称とは関係なく、実態で判断されますので、

については除外できません。それぞれ除外するためには、

ものでないといけません。

割増賃金の不払い

労働基準監督署の調査に入られたときは、割増賃金を正しく支払っているかどうかは、ほとんど毎回調べられます。

また、割増賃金を正しく支払っていないと、退職した社員から、未払いの割増賃金を支払うよう求められることがあります。裁判にまで発展するケースもあります。

割増賃金の請求権の時効は2年ですので、最長で2年前までさかのぼって割増賃金を支払わされることもあります。また、悪質な場合は書類送検をされたりしますので、割増賃金は正しく支払うようにして下さい。

会社が残業時間を管理していないと、無駄な残業が行われて、残業手当も無駄に膨らんでいきます。管理職の手間が増えて、社員も反発するかもしれませんが、残業は承認制にするようお勧めいたします。無駄な残業手当を支払うことを考えるとベターではないでしょうか。

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(2014/8作成)