「あっせん」について

社員とのトラブルは、ここ数年増え続けています。労使間のトラブルは、今後も減ることはないでしょう。

労使間で問題がこじれると、最終的には裁判で争うことになります。

しかし、裁判になると多くの時間と費用がかかってしまいます。

そこで、『もっと迅速にトラブルを解決する制度を作りましょう』ということで、平成13年10月から「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」が施行されました。

この法律が定める制度の一つに「あっせん」制度があります。裁判をしないで紛争を解決する手段として、この「あっせん」という制度が注目されています。

円満解決

裁判では、お互い相手の粗探しをして、なかなか円満な解決が期待できません。

「あっせん」は裁判と違って、あっせん委員(弁護士、大学教授、社会保険労務士など)が両者の間に入って、お互いの言い分を聞きながら妥協点を見出すという制度です。

お互いに正当性を主張し合って戦うのではなく、あくまでもお互いが歩み寄って円満な解決を目指そうという制度です。これが「あっせん」の一番のポイントです。

あっせんの特徴

無料

あっせんは無料で利用できます。ただし、代理人を依頼した場合はその費用がかかります。

早い

あっせんの場に出頭する回数は、通常は1回だけです。解決まで、平均1ヶ月程度で、大半が2ヶ月以内に処理されています。

強制力がない

あっせんを申請しても、相手側は参加を拒否することができます。また、参加して、あっせん案が提示されても、それに応じる義務はありません。あっせんに応じない場合は、手続きは打ち切られます。

あっせんには裁判のような強制力はありませんが、それでも、あっせんによって多くの労働紛争が解決されています。

あっせん案は、過去の判例などに基づいて提示されますので、裁判になった場合の結果がある程度予想できます。裁判になることを考えると、ここで手を打っても良いだろうという意識が働くものと思います。

他の社員への影響

労使間のトラブルは、会社とその社員だけの問題ではありません。どのように対応するのか他の社員も見ています。

もし、会社が理不尽な対応してしまうと、他の多くの社員が会社に対して不信感を持つようになります。そして、明日は我が身と思い始めて、仕事にヤル気をなくします。これは避けないといけません。

処理が済んだ後は、他の社員に丁寧に経緯を説明することが大切です。

(2007/6作成)
(2014/5更新)