メンタルヘルスの早期対応

メンタルヘルスの早期対応

厚生労働省の調査結果によると、精神疾患の患者数は、平成14年は約260万人、平成20年は320万人と年々増加していています。

40人に1人の割合です。

特に最近は、「うつ病」が増加していますが、この病気はキチンと治療に専念すれば、3〜6ヶ月で回復するケースが多いようです。

過重労働と損害賠償

会社には健康管理上の義務として、安全配慮義務があります。

万一、過労死が起こってしまうと、会社を相手に民事訴訟が起こされます。最近は、労災認定と民事訴訟がセットになることが多くて、この場合、損害賠償額は1億円前後の高額になるケースが多いです。

長時間労働をさせて「社員の健康が悪化するだろう」と上司が予測できたにもかかわらず、残業時間を減らしたり、業務を軽減したり、医療機関の受診を勧めたり、といった措置をとらなかった場合は、会社に過失があったと判断されます。

現在の裁判では、本人から「残業時間を減らして欲しい」「業務を減らして欲しい」といった申出がなくても、会社が率先して必要な措置をとらないといけません。

つまり、上司は部下の健康状態を把握してないといけないということです。非常に日本的な考え方で、会社にとっては厳しい内容ですが、これが今の裁判での実情です。

うつ病などメンタルヘルスは個人の問題で、本人が管理するものという認識が一般的でしたが、過労自殺が大きな社会問題となって、会社にとってもメンタルヘルスは無視できない問題になっています。

また、メンタルヘルス(心の健康)が悪化すると、ヤル気・集中力・判断力が低下して、生産性にも悪影響を与えます。

長時間労働の基準

長時間労働が原因で発症したのかどうかを判定する基準が、次のように定められています。

  1. 発症前1ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって、1ヶ月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まる。
  2. 発症前1ヶ月間におおむね100時間又は発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって、1ヶ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強い。

要するに、1ヶ月の時間外労働が45時間以内の場合は、業務との関連性が弱い、つまり、会社に責任が問われることはほぼありません。

しかし、1ヶ月の時間外労働が45時間を超えてくると、業務との関連性が徐々に強まって、80時間を超える場合は、長時間労働が原因で発症した可能性が高い、つまり、会社に責任が問われるということです。

早期発見

メンタルヘルス(心の健康)は、個人差が大きいため対応が難しいのですが、会社が対応を間違うと責任を問われます。そのためには、早めに気付いて、早めに対応することが大事です。

気付きのポイントは色々とあります。

このような違和感を感じたときは、「最近元気がないようだけど?」、「体調が良くないのでは?」、「僕でよければ話を聞こうか?」と、まずは部下の話を聴いてあげて下さい。

そして、職場(労働時間、仕事の量や内容、作業環境など)に問題がある場合は、改善できないか検討します。また、「眠れない」と言う場合は、医療機関での受診を勧めてください。

不眠の多くは精神的(メンタルヘルス)に何か問題があることが多いです。受診を勧めるときは、「うつ病」といった言葉は出さないで、「ストレスや疲れが溜まっているようだから」とした方が言い出しやすいと思います。

上司はメンタルヘルスの専門家ではありませんので、上司も自分で問題を抱え込まないで、専門家の力を借りることも必要です。

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(2007/10作成)
(2014/5更新)