業務災害こんなときは?

業務災害こんなときは?

普通に仕事をしていてにケガをしたときは、「業務上の災害」として労災保険の給付が行われます。

しかし、「業務上の災害ではない」と判断されると、労災保険の給付は受けられません。

仕事そのものから離れたときに、「業務災害」かどうか微妙なケースが結構あります。

具体例を挙げて見てみましょう。

業務災害

労災保険とは、「業務災害」又は「通勤災害」により、労働者がケガをしたり、病気になったりしたときに、必要な保険給付を行う制度です。

どんなときに「業務上」と判断され、どんなときに「業務上ではない」と判断されるのか、過去に裁判で争われた具体的なケースで見てみましょう。

労災保険において業務上は、「仕事中」、「休憩中」、「出張中その他」に分類されます。

仕事中の災害

仕事中の災害として、次のようなケースがあります。

負傷した同僚の付添いとして、自動車で病院に行く途中の交通事故業務上
作業中にトイレに行く途中の事故業務上
風で飛んだ帽子を拾おうとして、反射的に飛び出し、自動車にはねられた
交通事故
業務上
泥酔して、トラックから転落した運転手の事故業務外
顔見知りの他人に自動車を運転させて生じた事故業務外
顔見知りの社員の作業を手伝って生じた事故業務外
夕食のため外出し、工事現場に戻る途中に生じた事故業務外
旋風による災害業務外

このように、業務に付随する行為(緊急の行為、生理的必要行為、反射的行為など)も業務上と認められます。

しかし、個人的な行為、仕事に関係のない行為、自然現象については、通常は業務上とは認められません。

休憩中の災害

休憩中の災害として、次のようなケースがあります。

断崖絶壁の石切現場で、水汲みに行って転落した負傷業務上
会社の給食による食中毒業務上
会社で行った予防接種による事故業務上
キャッチボールをしているときに、銃弾に当たって受けた負傷業務外
暴風雨により社員の宿舎が流出したことによる負傷業務上

休憩中は、業務から離れていますので、原則的には業務上とは認められません。

しかし、会社自体又はその管理の状況や欠陥によるものである場合は、業務上と認められる場合があります。

出張中その他の災害

出張中その他の災害として、次のようなケースがあります。

自宅から自動車で出張先へ行く途中の事故業務上
出張業務が終了して、帰宅する途中で泥酔し転倒した事故業務外
会社の専用バスに乗車する際の事故業務上
突発事故があり、会社の呼び出しを受けて休日出勤する途中の事故業務上
休日の野球大会出場中の事故
(強制参加=出場選手については代休が与えられる)
業務上
慰安旅行時の船の沈没事故(任意参加)業務外

出張中の場合も、仕事中と同様の基準で業務上かどうか判断されます。

(2002/12作成)
(2014/5更新)