育児・介護休業法が改正されました
育児・介護休業法が改正されます
その一部については、100人を超える企業に対しては当時から適用されたのですが、100人以下の企業に対しては一定期間適用が猶予されました。
その猶予期間が平成24年で、100人以下の企業に対しても、全面的に適用されることになりました。
ここでは、100人以下の企業に対して、平成24年に改正・施行されました育児介護休業法についてご案内しています。
所定外労働の免除
3歳未満の子を養育する社員(日々雇用される者を除きます)が請求した場合は、事業の正常な運営を妨げる場合を除いて、所定労働時間を超えて勤務させることができません。
ただし、次の社員については、労使協定を締結することによって、対象外とすることができます。
- 入社して1年未満の者
- 1週間の所定労働日数が2日以下の者
所定外労働の免除は、改正前は「勤務時間の短縮等の措置」の制度の1つとされていたもので、専業主婦(夫)がいる場合は対象外とすることができました。しかし、今回の改正により、専業主婦(夫)がいる場合であっても拒否できないことになっています。
短時間勤務制度の義務化
3歳未満の子を養育する社員(日々雇用される者を除きます)が、希望すれば利用できる短時間勤務制度を設けることが義務付けられました。
この短時間勤務制度では、1日の所定労働時間を原則として6時間とすることが定められています。したがって、1日の所定労働時間が6時間以下の社員については短時間勤務制度を適用しなくても構いません。
また、次の社員については、労使協定を締結することによって、対象外とすることができます。
- 入社して1年未満の者
- 1週間の所定労働日数が2日以下の者
- 業務の性質又は業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する者
なお、所定外労働の免除と同様に、今回の改正により、専業主婦(夫)がいる場合であっても拒否できないことになっています。
短時間勤務制度を利用している社員に、所定外労働を命じることは可能です。しかし、短時間勤務制度が適用されている期間に重ねて所定外労働の免除を請求することは可能です。そうなると、事業の正常な運営を妨げる場合でなければ、所定外労働を命じることができないようになります。
育児時間との関係
労働基準法により、1日2回、それぞれ30分の育児時間を取得できることが定められています。
短時間勤務制度と育児時間は趣旨や目的が異なることから、短時間勤務制度を利用していて所定労働時間が6時間になった場合でも、育児時間は請求できるものとされています。
短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務
3.に該当する「短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務」として、指針では次の業務が例示されています。
- 国際路線等に就航する航空機において従事する客室乗務員等の業務
- 社員数が少ない事業所において、当該業務に従事しうる社員数が著しく少ない業務
- 流れ作業、又は、交替制勤務による製造業務であって、短時間勤務の者を勤務体制に組み込むことが困難な業務
- 個人ごとに担当する企業や地域が厳密に分担されていて、他の社員では代替が困難な営業業務
これらの業務に該当する場合は短時間勤務制度の対象外とすることができますが、代替措置として、
- フレックスタイム制
- 時差出勤の制度
- 保育施設の設置運営その他これに準じる便宜の供与
- 育児休業に準じる措置
のいずれかを講じないといけません。
介護休暇制度の創設
介護のために、短期で取得できる休暇制度が創設されました。
これにより、要介護状態の対象家族の介護や世話を行う社員(日々雇用される者を除きます)が申し出た場合は、要介護状態の対象家族が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日の介護休暇を取得できるようになります。
ただし、次の社員については労使協定を締結することによって対象外とすることができます。
- 入社して6ヶ月未満の者
- 1週間の所定労働日数が2日以下の者
なお、介護休暇の対象となる介護や世話は、
- 対象家族の介護
- 対象家族の通院等の付添い
- 対象家族が介護サービスの適用を受けるために必要な手続きの代行
- その他の対象家族に必要な世話
とされており、対象家族を直接介護するものに限られず、対象家族のために行う家事や買物などについても、対象家族の世話と認められるものであれば含まれます。
なお、介護休暇を取得した日や時間については無給で構いません。
(2012/3作成)