衛生要因と動機付け要因

ハーズバーグという方の説に、「衛生要因」と「動機付け要因」というものがあります。

衛生要因

「衛生要因」は、これが満たされないと不満を感じるけれども、逆にどんなに満たしてもヤル気を引き出すことはできないというものです。つまり、できるのは不満を解消するだけで、マイナス側にしか振れないメーターのようなものです。

例えば、買い物に行くことを考えてみましょう。「A百貨店のトイレは汚いから、A百貨店には行きたくない」と考えることはあっても、「B百貨店のトイレはきれいから、B百貨店に行こう」とは考えないでしょう。

このように衛生に関することはヤル気を引き出さないものとして、「衛生」要因と名付けられました。

もう1つ、給料を例にとって考えてみましょう。安過ぎる給料ではバカらしくて働けません。給料の不満はヤル気をなくさせます。しかし、昇給して嬉しいのは、せいぜい2〜3ヶ月が限界でしょう。

適正な給料は必要ですが、それは単に不満を解消するだけで、ヤル気を引き出すためには別の要因が必要ということです。

動機付け要因

それが「動機付け要因」で、これが満たされると積極的な動機付けが行われ、更なる満足感を求めてヤル気が増すというものです。

たとえ、これが満たされない場合でも満足感が減少するだけで、不満足感が増加することはありません。衛生要因とは反対に、プラス側にしか振れないメーターのようなものです。

例えば、徐々に大きな仕事を任せたり、仕事の目標をクリアしたり、自身で成長を確認できたり、といったことが動機付け要因になります。

衛生要因と動機付け要因の関係

衛生要因と動機付け要因の有無により、4つに分類できます。

衛生要因が
満たされている
衛生要因が
満たされていない
動機付け要因が
満たされている
不満はないし
ヤル気も充実している
ヤル気はあるけど
不満がある
動機付け要因が
満たされていない
不満はないけど
ヤル気もない
ヤル気はないし
不満もある

満足な(動機付け要因が満たされている)状態と不満でない(衛生要因が満たされている)状態とは違います。全く異質なものです。

ヤル気を引き出すためには、いくら衛生要因を満たしても無駄で、動機付け要因を満たさないといけません。

ただし、動機付け要因を満たしても、衛生要因を満たさなければ従業員の不満が高まっていきます。言い換えれば、衛生要因を満たすことは、ヤル気を引き出すための土台作りになります。

(2004/4作成)
(2014/6更新)