残業手当の計算例

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残業手当の割増率

一般的には「残業手当」と呼ばれていますが、労働基準法では「割増賃金」と規定されていて、次のように3種類が定められています。

  1. 時間外労働の割増賃金(割増率は125%)
  2. 休日労働の割増賃金(割増率は135%)
  3. 深夜労働の割増賃金(割増率は25%)

それぞれ次の時間に対して、割増賃金の支給が義務付けられます。

  1. 時間外労働は、1週40時間又は1日8時間を超えて労働した時間
  2. 休日労働は、週1回の休日に労働した時間
  3. 深夜労働は、午後10時から午前5時までの間に労働した時間

それぞれが単独で発生した場合は上のとおりですが、組み合わせて発生することもあります。

休日労働は時間外労働の一部と考えられていますので、二重にはカウントされません。

残業手当の計算例

例として、次のケースで残業手当を計算してみましょう。

  1. 賃金は全て月額で
    • 基本給:26万円
    • 通勤手当:8,000円
    • 家族手当:1万円
    • 調整給:2万円
  2. 1年間の所定休日数が108日
  3. 1日の所定労働時間が8時間

1ヶ月の所定労働時間の平均

「1ヶ月の所定労働時間の平均」
 =(365日−108日)×8時間÷12ヶ月
 =171.33時間 となります。

残業単価

賃金のうち、通勤手当と家族手当が除外賃金に該当するとします。残業手当の単価の計算に入れるのは、基本給の26万円と調整給の2万円になりますので、

「1時間当たりの通常の賃金」
 =(260,000+20,000)円/171.33時間
 =1,634.27円/時間になります。

したがって、残業手当(割増賃金)は、

  1. 時間外労働1時間につき、2,043円
    (=1,634.27円×125%=2,042.8円)
  2. 休日労働1時間につき、2,206円
    (=1,634.27円×135%=2,206.2円)
  3. 深夜労働1時間につき、409円
    (=1,634.27円×25%=408.5円)

となります。なお、1円未満の端数が出る場合は、1円単位に四捨五入します。

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