ユースエール認定制度
ユースエール認定制度とは
「ユースエール認定制度」とは、「若者雇用促進法」に基づいて、若者の採用や育成に積極的で、若者の雇用管理の状況が優良な中小企業を、厚生労働大臣が認定する制度です。
「若者雇用促進法」とは、若者の雇用の促進を図り、その能力を有効に発揮できるようにすることを目的とした法律で、正式名称は「青少年の雇用の促進等に関する法律」と言います。
認定制度の他に、若者の適職の選択、職業能力の開発・向上に関する措置等について定められています。
ユースエール認定を受けるメリット
ハローワーク等でPR
「わかものハローワーク」や「新卒応援ハローワーク」等で、認定企業を積極的にPRすることになっていますので、若者からの応募の増加が期待できます。
また、厚生労働省が運営している「若者雇用促進総合サイト」にも認定企業として掲載されますので、会社の存在や魅力を広くアピールできます。
就職面接会に参加
認定企業は、労働局やハローワークが開催する就職面接会等に優先的に参加できますので、求職者と接する機会が増えます。会社に適した人材の採用に繋がります。
認定マークの使用
認定企業は、会社の商品や広告等に認定マークを付けることができます。認定マークを使用することによって、優良企業であることを対外的にアピールできます。
助成金の加算
若者の採用や育成を支援するために、認定企業が次の助成金を受給する場合は、一定額が加算されます。
- キャリアアップ助成金
- 人材開発支援助成金
- トライアル雇用助成金
- 特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)
日本政策金融公庫による低利融資
日本政策金融公庫が実施している「地域活性化・雇用促進資金(企業活力強化貸付)」を利用する場合は、基準利率から−0.65%で低利融資を受けられます。
公共調達の加点評価
公共調達で価格以外の要素を評価する場合(総合評価落札方式・企画競争方式)は、契約内容に応じて、認定企業を加点評価することになっています。
ユースエール認定の要件
中小企業(従業員数が300人以下)で、次の要件を全て満たしている場合はユースエール認定を受けられます。
- 若者を対象とした正社員の求人申込み又は募集を行っている
- 若者の採用や人材育成に積極的に取り組んでいる
- 次の基準を全て満たしている
- 直近3事業年度に正社員として採用した者の離職率が20%以下(採用者がいない場合は不問とし、採用者数が3人又は4人の場合は離職者が1人以下であれば可)
- 「人材育成方針」と「教育訓練計画」を策定している
- 前事業年度の正社員の平均所定外労働時間が月20時間以下で、かつ、平均法定外労働時間が月60時間以上の正社員が1人もいない
- 前事業年度の正社員の有給休暇の年間付与日数に対する取得率が平均70%以上、又は、年間取得日数が平均10日以上
- 直近3事業年度に育児休業等を取得した男性従業員が1人以上、又は、女性従業員の育児休業等の取得率が75%以上(対象者がいない場合は不問)
- インターネット等を利用して、次の雇用情報を公表している
- 直近3事業年度の新卒者等の採用者数と離職者数、直近3事業年度の男女別採用者数
- 平均継続勤務年数
- 研修の内容
- メンター制度、自己啓発支援制度、キャリアコンサルティング制度、社内検定制度の有無と内容
- 前年度の平均所定外労働時間(1ヶ月)
- 前年度の有給休暇の平均取得日数
- 前年度の育児休業の対象者数、取得者数(男女別)
- 役員、管理職の女性割合
- 過去3年間に認定を取り消されていない
- 過去3年間に認定要件を満たさなくなったことにより、認定を辞退していない
- 過去3年間に新規学卒者の採用内定を取り消していない
- 過去1年間に会社都合による解雇又は退職勧奨を行っていない
- 暴力団の関係企業でない
- 風俗営業等の関係企業でない
- 助成金の不支給措置を受けていない
- 重大な労働関係法令違反を行っていない
ユースエール認定の手続き
まず、認定を受けるために必要な申請書類を作成します。認定要件を満たしていることを示すための書類で、ホームページからダウンロードできるようになっています。
申請書類をハローワークに提出します。
それを労働局が審査して、結果が書面で通知されます。
認定されると、ハローワークの求人票に認定企業である旨が表示され、「若者雇用促進総合サイト」に企業情報が掲載されます。
若者応援宣言企業
ユースエール認定を受けるための要件(ユースエール認定要件の3.)を満たしていないものの、若者の採用や育成に積極的な中小企業に向けて、「若者応援宣言企業」という制度があります。
若者応援宣言企業になるためには、次の要件を全て満たしている必要があります。
- 若者を対象とした正社員の求人申込み又は募集を行っている
- 若者の採用や人材育成に積極的に取り組んでいる
- インターネット等を利用して、一定の雇用情報(ユースエール認定要件の4.の情報)を公表している
- 一定の労務管理体制の要件(ユースエール認定要件の5.以降の要件)を満たしている
「若者応援宣言企業」になることによって、ユースエール認定を受けた場合とほぼ同じメリットが得られます。
ただし、助成金の加算、日本政策金融公庫による低利融資、公共調達の加点評価は受けられません。また、「若者応援宣言企業」の名称は使用できますが、認定マークは使用できません。
(2020/1作成)