提案制度の導入
提案制度
従業員とトラブルが起きる原因の多くは、コミュニケーション不足にあります。
また、従業員のヤル気を引き出すために、コミュニケーションは欠かせません。
コミュニケーションを良好にする1つの手段として、提案制度を導入してはいかがでしょうか。
従業員満足
部下から提案や不満が出てきたときは、上司の皆さんはどのように対応していますでしょうか?頭ごなしに「ダメだ」、「無理だ」と言って、拒否していませんでしょうか?
上司が拒否を繰り返していると、部下は提案も不満も言わないようになります。そして、陰口を言われるようになって、コミュニケーションが途絶えます。場合によっては、退職時に不満が爆発してトラブルになります。
顧客の声やクレームを積極的に取り入れて、業務の改善に活用している会社でも、従業員の声は放ったらかしにしていることがあります。
従業員の声も、できる限り受け入れるべきです。特にサービス業ではそうです。仕事や会社に対して不満を持った従業員が、顧客を満足させることは難しいです。顧客満足を向上させたいのなら、その前に、従業員満足にも目を向けてはいかがでしょうか。
提案と不満
提案と不満を分けて考えてみましょう。
提案は、普通は積極的に取り入れたいものです。しかし、浅はかな提案もあるでしょう。
そのときは、軽くあしらうのではなく、別の角度から質問を投げ掛けて、本人に問題点を気付かせるようにします。提案を潰すためではなく、その提案をより説得力のあるものに仕上げるためにサポートするのです。
これに対して不満は、被害者意識から出てくることが多いです。「では、どうすれば良いと思う?」と問い返して、不満を提案に変えさせます。
「不満」は一見後ろ向きの言動のように思われますが、不満の多くは、今の会社でこれからも頑張っていこうと、前向きに考えている従業員から出てきます。
つまり、提案も不満も大した違いはないということです。不満も大いに歓迎しましょう。
提案を受け入れると
提案制度を導入して、提案を受け入れると、大きなメリットが期待できます。
ヤル気が高まる
従業員の提案を大事にすると、「自分は会社に受け入れられている」、「この会社は自分の会社だ」という安心感や帰属意識が高まり、同時に「もっと会社に貢献したい」というヤル気が高まります。
自分で考えるようになる
「こうすればコストを下げられるのではないか」、「もっと便利になるのではないか」と自ら考えるようになります。言われた仕事だけをするのではなく、自ら問題を発見できるようになり、従業員の自律性が育ちます。
変化し続ける体質になる
1つ1つの提案は、会社の中のちょっとした変化、ちょっとした改善に過ぎないかもしれません。しかし、それを継続することによって、自由なアイデアが湧き出す風土が根付きます。
効果的な提案制度の運営
全ての提案を受け入れる
効果の期待できない提案も認めることが大事です。どんな提案でも認めてもらえるという安心が、自由なアイデアを生みます。また、提案を実行して逆効果だったとしても、評価を落とさないようにして下さい。人事考課でマイナス評価にする等、アイデアを出すことがリスクになってはいけません。
最初から過大な期待しない
最初から画期的な提案が出てくると期待してはいけません。提案は「思い付きで十分」と割り切ることが大事です。量が増えれば、自然と質も向上していくものです。待っていれば、いつかは画期的な提案が生まれてくるはずです。
従業員の前で表彰する
年間最多提案賞や最優秀提案賞などを設けて、多くの従業員の前で表彰してはいかがでしょうか。誰でも周囲から認められたい、尊敬されたいと思うものです。賞金の金額は余り重要ではありません。重要なのは、その賞への意味付けです。大々的に表彰をすれば大きな効果が期待できます。
(2014/10作成)