求める人材像を明確に
雇用のミスマッチ
「採用したいけど、良い人材が集まらない」という話をよく聞きます。
- 募集をしても、応募者が集まらない
- 少ない応募者の中から、なんとなく採用した
- 採用したけど、会社が期待したほどではなかった
- 採用しなければ良かった
こうなると、会社にとっても、その社員にとっても不幸なことです。
求める素質を明確に
なんとなく採用することを避けるために、自社で求める人材像を明確にすることから始めましょう。そして、これに合致する応募者が現れるまでは、採用を控えることが大事です。
自社で求める人材像を明確にする簡単な方法を紹介します。
まずは、次のように、自社の社員に求める素質(性格、価値観、考え方など)を、思い付くだけ箇条書きにして列挙して下さい。1人だけでは偏りますので、信頼できる他の役員や社員にも挙げてもらうと良いでしょう。
- 明るい
- 論理的な思考ができる
- 素直
- 社交的
- 粘り強い
- ・・・
そして、列挙した項目を全て満たしている人が応募してくる可能性はありませんので、この中から優先順位が高い3項目に絞り込みます。これが、自社で求める人材像になります。面接時のチェックリストに追加して下さい。
ここで、「ヤル気がある人」が挙がるかもしれませんが、これは避けた方が良いです。ヤル気の有無は職場の環境によって変わりますので、面接で確認をしても余り意味がありません。
また、厳しいことを言いますが、小規模企業には、どこの会社でも通用するような方からの応募は期待できないのが実情かと思います。
暗くても良い、茶髪でも良い、敬語が出来なくても良い、など、あらかじめ妥協できる項目を同じように整理しておくと良いでしょう。他社では一般的に敬遠されるけど、当社では許容できるというものがあると、出会える確率が高まると思います。
求める人材像を明確に
先程は、会社が求める内面的な項目を3項目に絞りましたが、次は、学歴等の外面的な条件を整理します。
- 必要な知識や能力は?
- 必要な資格は?
- 学歴は?
- 実務経験は必要ですか(何年程度)?
- 年齢は?
- ポジションは?
- 幹部候補?
- ・・・
他にも必要な条件があれば挙げて下さい。ただし、こちらも条件を増やし過ぎると、合致する人が限られてしまいますので、ある程度は絞り込んだ方が良いです。
これらについても面接時に確認しないといけませんので、必要な項目は面接時のチェックリストに追加して下さい。
また、今必要な人材ではなく、5年後、10年後に必要となる人材は?と考えながら進めるのも良いでしょう。ただし、そのときに会社はどうなっているのか、どういう会社にしたいのか、という明確なビジョンが必要になります。
募集の進め方
募集をする段階でも、求める人材像を明確にすることは大事です。
ここではより具体的に、求める人材になりきって考えてみましょう。募集をどのように進めれば良いのかという指針になります。
- 年齢は何歳ぐらいですか?→どの求人媒体が効果的か
- 失業中ですか?在職中ですか?→募集かスカウトか、選考日時等の配慮が必要か
- 土曜日や日曜日、夕方に面接してもらえる会社が良いですか?→面接日時の設定
- どのような仕事を求めていますか?→求人広告のキャッチコピーに、当社で提供できるか、見直す必要があるか
- いくらぐらいの給与を望んでいますか?→提供できるか
- ハローワークに通っていますか?→ハローワークの求人で期待できるか、他の媒体も利用するか
- 求人誌を見ていますか?→求人誌を利用するか
- 求人誌を見ているとしたらどれですか?無料の求人誌?有料の求人誌?専門職?→どの求人誌を利用するか
- 新聞の求人欄は見ていますか?どこの新聞を購読していますか?→新聞の求人広告を出すか
- 新聞の折り込み広告は見ていますか?→折り込み広告を出すか
- インターネットの転職(就職)サイトは見ていますか?→転職サイトを利用するか
- 応募しようとしている会社を検索して、その会社のホームページを見ますか?→自社のホームページ、応募者用のページを作成するか
ここに挙げた以外にも、判断に迷ったときは求める人材になりきって考えると、答えが見付かりやすいです。
採用に費用を掛けようと思えばいくらでも掛かりますが、このようにして考えると効率的な募集ができますので、費用と時間を浪費しないで済みます。
応募者への情報提供
会社が一方的に採用したいと思っても、本人が入社したいと思わなければ、採用に至りません。会社の将来性や価値観、社風などの情報を提供して、応募者がそれらに共感できるかどうかも大事なことです。
その際は、良い面ばかりを強調しない方が良いです。ある程度は厳しい面も話しておくことで、覚悟を持って入社してきますので、「言っていたことと違うじゃないか」という事態を避けられます。自社の長所と短所を把握しておくことが大切です。
(2014/7作成)