裁判員制度と休暇

裁判員制度と休暇

裁判員制度が始まりました。

「裁判員」に選ばれる確率は、有権者の約5,000人に1人と言われていますので、確率は低いです。

しかし、その前段階の「裁判員候補者」に選ばれる確率は、有権者の約400人に1人の割合ですので、身近な人が選ばれるかもしれません。

社員の中から選ばれる可能性がありますので、会社としてどう対応するのか、事前に検討しておく必要があります。

裁判員になると、どれだけ休むのか?

具体的な事件で「裁判員候補者」に選ばれたときは裁判の当日だけで済みますが、「裁判員」に選ばれると審理のために更に数日間拘束されることになります。

裁判の審理に掛かる日数は、約7割の事件が3日以内、約2割の事件が5日以内で終わると見込まれています。残りの約1割の事件が5日を超えるようです。

裁判員に選ばれると、「仕事が忙しい」というだけでは辞退できません。辞退が認められるためには、他に担当できる者がいなくて本人が処理しなければ著しい損害が生じる等の特別な理由が必要とされています。

また、労働基準法で、公民権(選挙権など)の行使を保障することが定められていますので、社員から裁判員に選ばれたために休むと申し出があったときは、会社は拒否できません。

更に、裁判員法でも、社員が裁判員の職務を行うために休んだこと等を理由として、解雇などの不利益な取扱いをしてはならないと規定されています。

裁判員休暇を取得したときの賃金

裁判員休暇を取得したときは、大企業では有給休暇扱いとしている所が多いようですが、法律的には無給でも構いません。有給にするか無給にするかは、それぞれの会社の判断に委ねられています。事前に、どちらにするか決めておくと良いでしょう。

なお、裁判所に出向いたときは、交通費に加えて、裁判員に対しては10,000円以内、裁判員候補者に対しては8,000円以内(午前中だけで終わった場合は半額)の日当が支給されます。これは、会社から賃金が出ていても、全額支給されます。

個人的には、本人の意思で裁判員になるのではなく強制的に行われるものですし、裁判でのストレスを考えると、できれば有給で処理するのが望ましいように思います。もちろん、有給で処理する余裕がなければ無給でも構いませんし、日当と賃金(1日当たりの賃金の方が日当より多い場合)の差額を支給するという方法もあります。

また、本人から年次有給休暇の申出があったときは認めないといけませんので、賃金の取り扱いを決める際は、これも想定しておく必要があります。

就業規則の規定

社員が裁判員に選ばれたときに、会社はどう対応するのか、慌てることのないよう、必要な内容を就業規則で定めておきましょう。

裁判員休暇の項目を新設する

まず、裁判員休暇制度の項目を新たに設けて、手続き等について定めることが考えられます。

裁判所からの呼出しは、6週間前までに本人に行われるだけで、会社に連絡はありません。裁判の大半は5日以内で終わりますが、仕事に影響しますので、呼出しがあったときは、会社に報告するよう義務付けておく必要があります。

その際は、裁判所からの連絡(呼出状)を見せてもらうようにすると良いでしょう。

また、本人が希望すれば後日に証明書が発行されますので、有給で処理する場合は、確認のために証明書を提出してもらうことも必要です。

他の休暇に追加する

また、社員数が少なくて、裁判員休暇制度を新設する必要性が余りない場合は、既存の就業規則の見直しで対応することも可能です。

無給で処理する場合は、就業規則に公民権の行使に関する規定があれば、そこへ追加したり、有給で又は一部有給で処理する場合は、特別休暇や慶弔休暇の項目に追加することが考えられます。

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(2011/1作成)
(2014/6更新)