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宮城県教育公務員事件 事件の概要

公立の小学校に勤務していた職員が、在籍していた間に、数回に渡って日直の業務を行っていました。

日直の業務を行ったときは、日直手当が支払われることになっていたのですが、数年が経過した後になって、それが支払われていないことに気付き、職員は日直手当を請求しました。

しかし、時効により、賃金(日直手当)の請求権は消滅しているとして、支払を拒否されたため、職員がその支払を求めて提訴しました。

宮城県教育公務員事件 判決の概要

職員は一般職の地方公務員であり、日直手当の請求権は地方公共団体に対する金銭債権である。そして、地方自治法第236条によって、地方公共団体の金銭債権又は地方公共団体に対する金銭債権で、時効に関して他の法律に定めがないものは、5年間これを行使しなければ時効により消滅することが定められている。

ところで、地方公共団体の職員には、法律が特に適用を除外したものを除いて、労働基準法の規定が適用される。

日直手当は労働基準法でいう賃金であり、労働基準法第115条において、「この法律の規定による賃金、災害補償その他の請求権は2年間、行わない場合においては、時効によって消滅する」ことを規定している。この労働基準法第115条の規定は、地方自治法第236条で定めている「他の法律」に該当する。

また、地方公共団体の職員には、地方公務員法第58条において、労働基準法第115条の適用を除外していないのであるから、日直手当の請求権は、労働基準法第115条の規定により、2年間これを行使しなければ時効によって消滅する。

解説−国・公共団体への適用

地方公共団体に対する金銭債権の時効は、地方自治法により、原則として5年間と定められています。ただし、時効に関して、他の法律で定めがあるときは、その法律が優先されることになっています。

この裁判で争われた日直手当は、職員の地方公共団体に対する金銭債権ですが、職員には、法律で列挙された規定を除いて、労働基準法が適用されます。そして、労働基準法の時効に関する規定も適用されるため、賃金(日直手当)の請求権は2年の時効によって消滅します。

その結果、2年以内の日直手当の請求は認められましたが、それ以前の日直手当の請求は認められませんでした。